女性YouTuberなぜ活況? エミリン、てんちむ、関根理紗……女性目線でその魅力を徹底解説

 つい先日、エミリンこと大松絵美のYouTubeチャンネル「エミリンチャンネル」が、登録者数100万人を達成した。なりふり構わず毒舌を吐き、甲高い声でモノマネを披露する普段の彼女とは打って変わって、自身の過去や、視聴者への感謝の気持ちを綴った手紙を号泣しながら読む様子に、胸を打たれた視聴者は多いのではないだろうか(少なくとも筆者は観ながら5分ほど号泣した)。

100万人いったので号泣しながら手紙を読んだ。みんな、ありがとう。

 いわゆる「YouTuber第一世代」である佐々木あさひに始まり、木下ゆうか、まあたそ、ふくれな、関根理紗、さぁや、ゆきりぬ、てんちむ、かわにしみき……YouTube界が活気づいていくに連れ、女性YouTuberの数や視聴者数、登録者数も年々勢いを増している。

 とはいえ、「(カップルや家族チャンネルではない)女性の単独YouTuber」で、登録者数ランキング50位以内に入っているのは木下ゆうか一人のみ。登録者数100万人を達成しているのは、全体で190チャンネルあるなかで、10チャンネルのみだ。

 男女で分けて語るのは昨今のトレンドではないが、あえて“女性YouTuber”というくくりで語るならば。彼女たちにとって、ただでさえ厳しいYouTubeの世界を女性ながらに生き抜いていくことはなかなかに困難なことだと想像できる。だが、そんな中でも彼女たちが魅力的な動画を発信し、数多くの視聴者の心を掴んでいることは紛れもない事実だ。この記事では、女性YouTuberが直面すると考えられる葛藤や課題と、人気女性YouTuberたちがどのような魅力でそれらを乗り越えているかを紹介したい。

目に見える努力が味方を作る

 そもそも、動画で顔を出すこと自体が女性にとっては第一の難関だ。女性が顔を出して活動すれば、必ず容姿を罵るコメントが出てくる。アンチコメントをスルーする強靭なメンタルは、男性はもちろん、女性にはなおさら求められる。

 人気の女性YouTuberが強いのは、そうしたコメントに傷つきながらも、いじけず、腐らず、ただ実直に「可愛くなっていく様子」を日々発信し続ける点だ。その目に見える努力はとても眩しく、そして実際にどんどんおしゃれに、垢抜けた女性に変化していくので、自然と応援したくなるのだ。

 当初は(そのままでも十分魅力的なのに)「私なんてブスで……」と頻繁に自虐トークをしていた、エミリンやそわんわん。日々、彼女たちの動画の更新を見ていると、目を見張る勢いで変わっていく。美容系YouTuberにメイクを教わったり、有名アパレルブランドの新作を買ってみたり、人気サロンでヘアカットをしてみたり……そうしていくうちに、どんどんとおしゃれな女性になっていくのだ。そしてまた、彼女たち自身も自己肯定感を高め、高まったことを動画で報告してくれる。

 こうした目に見える努力や、それをそばで見守っていられるような感覚が、彼女たちに味方、あるいは仲間としての視聴者を増やしているのだと実感している。

垢抜けたいので毎日メイクを変えた!女子力あげてこ〜★
深夜に一重のメイク練習する

 コンテンツをつくる女性にとって「面白さ」をどう追求するか、という課題もあるだろう。テレビ番組に出演する女性芸人の一部は「女を捨てる」ことで笑いを取ることも多いが、今やそうした考え方・やり方は前時代的なものになりつつある。女性たちはいま、「かわいい」と「面白い」の間を揺れ動きながら、あるいは両立しながら、試行錯誤して企画しているのだ。

 特にこの両立に成功していると思えるのが、美容系YouTuber・関根理紗の動画だ。「26分で家を出る」「寝起き10分でパッキング」「10分でヘア&メイク」などのタイムアタック動画でとにかくパニックする彼女の様子は、美容系ではなくマルチ系YouTuberかと見紛うほどの面白さだ。UUUMの一大イベント「U-FES.」の2017年開催回で行われた動画コンテスト「UUU-1 Battle!」では快挙を成し遂げた。「[衝撃] 世界最速!!30秒でフルメイクした。~天才的発想が爆発した~」という動画で、歴々の人気YouTuberを抑えて「シェアしたくなる動画」部門1位を獲得したのだ。この動画に関しては、筆者個人的には一人で観ていても声を出して笑ってしまうほど面白いので、是非確認してみてほしい。

[衝撃] 世界最速!!30秒でフルメイクした。〜天才的発想が爆発した〜

 かわいいし、おしゃれなのに、どこか残念で、発想力あふれる企画はとにかく面白い。関根理紗以外にも、そうした才能の両立をしている人気女性YouTuberはここ最近どんどん増えてきている。女性主体の人気コンテンツは、「かわいいを貫くか」「女を捨てて面白いを取るか」の二択ではなく、「かわいくて面白い」が主流になっていくのだろう。

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