ガチャガチャからお賽銭まで……町に溢れる”キャッシュレス”を調査
お賽銭にまでキャッシュレス化の波が
キャッシュレス化の波は、デジタルとは縁遠いものに思える神社仏閣にも押し寄せている。お賽銭やお守りを購入する際の支払いに電子決済を導入する神社仏閣が、徐々に増えつつあるのだ。
例えば、東京都港区の愛宕神社は期間限定でのキャッシュレス決済を2014年にいち早く導入している。決済方法は楽天Edyで、通常のお賽銭箱の隣に「Edy賽銭箱」が設置されていて、テンキーで金額を入力後、決済ができるという仕組みだ。これは、三木谷浩史氏をはじめ、楽天の役員が愛宕神社に毎年参拝しているという縁があり、楽天側から提案したことがきっかけだという。
四国霊場のひとつである徳島県阿南市の平等寺も、スマホアプリでの決済を試験的に行っている。お遍路で寺を訪れる外国人参拝客の対応をきっかけとして、導入を決めたのだという。四国霊場は、拝観料が無料のため訪れる人を統計データとして捉えることが厳しかったが、スマホ決済により、巡礼者の動向を売上データとして見える化することが可能になった。
政府は、日本国際博覧会が開催される2025年までにキャッシュレス決済比率を40%とする目標を設定した上で、将来的には世界最高水準の80%を目指すとした「支払い方改革宣言」を提示している。キャッシュレス決済が使えるモノや観光スポットは、今後ますます増えていきそうだ。