2020年はゲーム機業界再編の年? PS5のライバルはXbox Series XではなくNintendo Switch Proか

「8K対応ゲーム」時代はまだ来ない

 近年の動画コンテンツとゲームのトレンドを語るキーワードとして「4K画質」があり、一部では「8K」という表現も見られるようになった(例えば「NHK BS8K」)。こうしたなか、ゲームメディア『THEGAMER』は10日、8K画質のゲームの可能性を考察した記事を公開した。

 8K画質に対応したゲーム機開発の兆候は、実のところ、すでに確認されている。Xboxシリーズの開発を率いるPhil Spencer氏のTwitterのプロフィール画像には、Xbox Series Xに実装されると思われるチップ画像が設定されている。このチップに「8K」という刻印が確認できるのだ(トップ画像参照)。

 8K画質に対応できたとしても、ゲームでは画質とともにFPS(1秒間に画面を描画する回数)が重要となる。高画質を実現できても、FPSが低い値だと快適なゲームの操作性が損なわれてしまうのだ。そして、ゲームの進化は伝統的にまず画質が向上した後に、フレームレートも向上するという歩みをたどってきた。例えば、2018年に発売された『アサシンクリード オデッセイ』の画質を最高に設定した場合、FPSは平均して30程度となる。一般に快適にプレイできるのはFPSが60以上なので、30だとゲームにおける動きに滑らかさが欠けてしまう。この事例は、2018年発売というあまり古くないゲームであってもFPSが画質に追いついていないことを示している。

 現在のゲームグラフィックをめぐる状況をアメリカに限定して見ると、一般家庭における4K対応テレビの普及率が2018年時点で32%である。また、PS4やXbox OneのすべてのゲームがHD画質の相当する1920 x 1080ビクセルに対応しているわけでもない。こうした状況をふまえると、8K画質を実現して快適にプレイできる60FPS以上を達成することが当たり前になる時代は、とうぶん先になると言わざるを得ないのだ。

 8K対応ゲームの時代は現実的ではないものも、4K対応ゲームの時代は現実的になりつつある。そして、2020年は後に「4Kゲーム時代元年」と呼ばれるようになるかも知れない。

トップ画像出典:THEGAMER「Gaming Isn't Ready For 8K Resolution Yet」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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