『テラスハウス』東京編:第25~28話ーー東京は“通過点”の新メンバーたちが織りなす“第二章”

『テラスハウス』東京編“第二章”が幕を開ける?

東京は“通過点”である新メンバーたち

 東京という街が舞台なだけあって、これまでのメンバーは“仕事”への想いを一際強く持っていたように思う。象徴的なのは、春花に思いを寄せながらも漫画を書くことに忙しく、なかなか恋愛に精を出すことができなかったペッペの姿だ。東京が仕事面での“終着地点”である場合、その仕事が落ち着かないと恋愛をしにくいということは往々にしてあるかもしれない。一方で新メンバーの特徴として挙げられるのは、東京は“終着地点”ではなく“通過点”であるということ。

 春花、流佳、ペッペと入れ替わりで入ってきた3人の新メンバー。ドイツとロシアのハーフであるビビはハリウッドで活躍する女優を志しながら、「パートナーを見つけられたら」と恋愛に前向き。スタンダップコメディに挑戦している快は、数カ月前に大失恋を経験しつつも、そのエピソードが彼の人生における恋愛の重要性を物語っているようだ。リリー・フランキーの付き人という異色の肩書きを持つトパスは、人見知りと言いながらも恋愛には積極的なよう。ハリウッドを目指すビビに、これまで数カ国を転々とし現在は英語でのコメディに取り組む快。まだ夢が見つかっていないトパスも含め、現状は東京に住み仕事をしているものの、その誰もが東京を終着地点としては捉えていないようだ。それは凌や花といったスポーツ選手たちにも、基本的に同じことが言える。

 4週に一度のこの振り返りコラムでは何度も「恋愛のムードが高まってきた!」と期待を込めて書いてきたものの、いまだ一向にその予想へたどり着くことはなく、カップルも生まれていない……。しかしここに来て、恋愛をする余裕と人生における恋愛の重要性を強く感じているメンバーが一気に加入し、ようやく恋愛模様が展開していく空気が漂ってきた。というよりも、加入してすぐにビビは凌に心奪われ、快はビビを、トパスは愛華をデートに誘うなど、まるで月9ドラマのような恋愛模様が現在進行形で繰り広げられている。

 そのなかでも、とりわけ「しぐれている」親密な雰囲気を漂わせる凌とビビ。怪我をしていなければ凌はビビにガンガンアタックしていたのではないか、とスタジオメンバーは口にするが、むしろ逆であるようにも思う。落ち込んでいるときだからこそ、あの気さくさやどこまでも一致していく性格に救われたのではないか、と。怪我を治したあとに一緒に外へ出かけるのをお互いにきっと楽しみにしているはずで、そのじれったさも恋愛促進剤として効いているようだ。

 「自分のやることをしっかりやってないと、いい人って現れないと思う」(25th WEEK)と凌が言い、「自分を高めていってもっといい人間になったときに(好きな人が)現れるんじゃないかな」(26th WEEK)とビビが言う。その価値観の合致にも驚くし、28th WEEKでベロべロに酔っ払って愛に飢えていることを訴えるトパスに放つビビの言葉とその人間性の成熟も見事だ。年上・年下関係なく、アドバイスをしてくれるような人と付き合いたいと、これまで何度も口にしてきた凌の絶好の相手が現れたと言う他ないだろう。

■原航平
1995年生まれ、映画好きのライター。「クイック・ジャパン」などでも執筆。
Twitterブログ

■番組情報
『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』
2019年5月14日よりNetflixにて毎週火曜に新エピソード先行配信(4週に1週休止)
2019年6月11日よりFODにて毎週火曜深夜0時に配信予定(4週に1週休止)
2019年7月よりフジテレビにて、地上波放送予定
(c)フジテレビ/イースト・エンタテインメント

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる