Google『Stadia』アメリカでサービス開始 ゲーム実況連携など未実装多く“まだ発展途上”か
“最高”になるにはまだ時間が必要
レイテンシ問題はおおむねクリアしているものも、現時点のStadiaは未完成のサービスと言わざるを得ない。というのも、同サービス発表時にもっとも注目された「State Share」や「Crowd Play」のようなゲーム実況との連携機能がまだ実装されていないのだ。同サービスが発展途上なことについて各海外メディアは欠点として指摘しているものも、完成されればゲーム市場を刷新するサービスになることを期待している。以下、該当箇所のレビューを抜粋。
・「Googleが開発を続けると、Stadiaはお金で買える最高のゲームストリーミングサービスになる可能性がある...(サービスとして完成するには)より多くの時間が必要」(『MMORPG』)
・「まだクロスプレイに対応していない」「Googleには、具体化すべき多くの機能と対処すべき問題がある」(『WIRED』)
・「基盤は非常に強固だが、Stadiaにはまだ長い道のりがある」(『Gamasutra』)
ところでStadiaが完成したあかつきには、既存ゲーム機市場を切り崩す存在となるのだろうか。こうした疑問に対して、レビューでは同サービスと既存ゲーム機市場は共存できるという見通しを述べている。
・「全体として見ると、Stadiaの強みはその汎用性にあり...(ゲーミングPCブランドである)AlienwareやRazerに取って代わることを意図したサービスではない」(『WIRED』)
・「ストリーミングテクノロジー自体がどれほどうまく機能していても、近い将来、物理的なゲームまたはローカルにインストールされたゲームを好むビデオゲームのオーディエンスが一堂に集まることを認識する必要がある。そうしたヒトたちは、所有することを求めているのだ」(『Gamasutra』)
以上のようなレビューをまとめると、Stadiaはまだ発展途上ながらもゲーム市場をより活性化するサービスに成長することが期待できる、と言えるのではないだろうか。なお、同サービスの日本での開始は2020年からとなっている。
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi