PSVR2とPS5コントローラーの特許がリーク ワイヤレス接続&クラウドゲーム対応に?

 PS5を2020年にリリースすると発表して注目されているSonyの新たな特許がリークした。その特許はPS本体ではなく、周辺機器に関するものである。その特許が実現すれば、ゲーム体験が新たな次元に引き上げられるかも知れない。

ワイヤレス接続にAR機能

 テック系メディア『TechSpot』は14日、PSVR2に関する特許を報じた。その特許を図解した画像を見ると、PSVR2ではワイヤレス接続が実現するようだ(トップ画像参照)。ワイヤレス接続に伴い、プレイヤーをトラッキングするカメラも現行の前方1台に加えて後方にもう1台追加される。ケーブルから解放されトラッキングカメラも増えれば、VR対応ゲームの表現の幅が広がることが期待できる。例えば、前後から迫りくる敵キャラクターを倒すようなシーンを現在よりリアルに体験できるようになるだろう。

 特許ではVRヘッドセットを装着したままで周囲を確認できる「透過モード」も説明されている。このモードを活用すれば、周囲のモノを確認してプレイ中に衝突することを回避できるだろう。だがしかし、同モードの真骨頂はAR体験の実現にある。同モードを活用して、現実の世界にバーチャルな3Dキャラクターを重ねて表示することができるのだ。つまり、PSVR2でもMicrosoftが提供するHoloLensのような体験が実現するというわけである。

 以上のようなPSVR2のリリース日は公式な発表はまったくないものも、PS5と同じ2020年の年末商戦期とする見方が有力である。もっとも、Sonyが2014年にPSVRの開発を認めてから実際にリリースされるまで2年を要したことを考慮すると、2020年より遅れたとしても驚くに値しない。

岐路に立つVR市場

 PSVRが属するVR市場は、現在岐路に立たされている。市場分析会社Strategy Analyticsが8月に発表したレポートによると、「VR元年」と言われた2016年から拡大を続けてきたVR市場は縮小に転じている。具体的には世界のVRデバイスによる売上は、2017年には19億ドル(約2,000億円)だったが2018年には18億ドル(約1,950億円)に縮小したのだ。VRデバイスの出荷数にいたっては、2017年には3,100万台だったのに対して、2018年は1,500万台と半数以下になった。

 同レポートは、VR市場縮小の原因をスマホ対応VRヘッドセットのフェードアウトに求めている。VR元年にはスマホに装着するだけでVR体験ができるGoogle Cardboardが企業のプロモーション活動に多用された。しかし、企業の関心がVRからAR広告に移るに伴って、スマホ対応VRヘッドセットはその役目を終えつつある。こうした変化は、VR市場の売上におけるGoogleのシェアが2017年には21%だったのに対し2018年には11%に低下したことによっても裏付けられる。

 岐路に立つVR市場において、Sonyは重要なキープレイヤーである。というのも、同社は2018年における同市場の売上の30%を占めているからだ(下のグラフ参照)。それゆえ、同社がPSVR2をリリースすれば、同市場が再び活気づくことが予想される。また、PSVR2にAR機能が実装されれば、スマホを活用しないハイエンドなAR体験が普及することも期待できるだろう。

Strategy Analytics「Strategy Analytics: Sony Captures a Third of VR Hardware Revenues as Market Transitions to Higher Quality」

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