Facebook「いいね!」ボタンの個人データ転送は「ユーザーの合意」が必要 欧州司法裁が判決下す
データ取り扱い、業界関係者は賛否両論
この判決に関する賛否両論が巻き起こるなか、『Telegraph』は、関係者の対照的な意見を紹介している。
欧州消費者機関(BEUC)のモニック・ゴイェン氏は、サイトを運営する企業にも共同責任が及ぶことについて、「この裁判の結果、いいねボタンを埋め込んだウェブサイトは、これ以上Facebookの後ろに隠れることはできなくなる。判決により、ウェブサイトでどのようなデータを収集し、どのように使用されているかという情報をインターネットユーザーが常に取得する権利が強調される」と述べ、歓迎する立場を表明した。
一方で、ドイツのオンラインビジネスの業界団体であるBitkomは、「消費者保護の強化にはつながらず、企業の費用と煩雑な手続きを膨張させるだろう」とし、判決に批判的だ(参考:https://www.telegraph.co.uk/technology/2019/07/29/facebooks-like-button-makes-websites-liable-data-eu-court-rules/)。
Facebookは今回の判決について、TwitterやLinkedInといった他の大手企業も同様のソーシャルプラグインを展開していることを指摘している。今後の動きによっては、多くのSNSプラットフォームや、ソーシャルボタンを埋め込んでいるEUの無数のウェブサイトにも影響を与えることだろう。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。