『Apex Legends』モバイル版リリースと中国進出計画が判明 『フォートナイト』との総力戦に突入か?

両雄は総力戦に突入?

 Apex Legendsのモバイル版がリリースされると、同ゲームとバトロワゲーム界の盟主フォートナイトのあいだの覇権争いが激化することが予想される。ワシントンポスト紙は6日、この覇権争いの現状を報じる記事を公開した。その記事によれば、Apex Legendsはリリース後またたく間に多くのプレイヤーを獲得して「フォートナイトキラー」としての地位を確立したものも、現在はその勢いが減速しつつありゲーム実況サイトTwitchにおける同ゲームの視聴時間はピーク時に比べて75%減少した。その一方で、フォートナイトは継続的なコンテンツリリースにより勢いを維持しており、最近では映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』とのコラボコンテンツをリリースしたことにより、Twitchの視聴者数を再び増やしている(下の画像参照)。

画像出典:フォートナイト・ニュース記事「フォートナイト エンドゲーム」

 もっとも、新規コンテンツの継続的なリリースは、フォートナイトの開発陣に少なくない犠牲を強いているようだ。ゲームメディア『Polygon』は4月23日、フォートナイトの開発者の労働時間に関する曝露記事を公開した。匿名を条件に多数のフォートナイト開発関係者から取材したところによると、一部の開発者は週に100時間働いていた、とのこと。この取材に関して同メディアがフォートナイトを開発するエピックゲームズのスポークスパーソンに問い合わせたところ、100時間を超えるようなケースは極めて稀であり、そうした長時間労働の再発を避ける対処にあたっている、との回答が得られた。

 以上の曝露記事が公開された直後の4月25日、Apex Legendsの製作総指揮を務めるDrew McCoy氏は、EA公式サイトに近況報告を発表した。その報告では同ゲームが予想以上に急成長したことにより開発陣が多くの困難に直面したことを認めたうえで、今後のアップデート方針として「ひとつお断りしておくと、パッチやアップデートを毎週のようなペースで配信することはこれまでも、そしてこれからも私たちの目標とはなりません」と述べた。この方針は、フォートナイトの開発体制を暗に批判しているとも解釈できる。

 しかしながら、モバイル版リリースと中国進出を目指すことによりApex Legends開発陣の負荷増大は避けられないだろう。どうやらバトロワゲーム界の両雄の戦いは、互いの死力を尽くした総力戦の様相を呈してきているのではないだろうか。

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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