『Apex Legends』モバイル版リリースと中国進出計画が判明 『フォートナイト』との総力戦に突入か?

 ゲーム配給大手EAは7日、2019年1月から3月末までの四半期の決算報告を発表した。この報告では、短期間で「フォートナイトキラー」と呼ばれるまでに成長したあのゲームに関する新たな計画が明らかにされた。

史上最速の成長を達成

  EAが7日に発表した直近四半期の決算報告に関するレポートによると、2月4日にリリースしたバトロワゲーム『Apex Legends』は、同社が配給したゲームのなかで「もっとも急成長した新作ゲーム」であった。リリースしてすぐに5,000万人のプレイヤーを獲得し、その数は今も増え続けている。こうしたプレイヤーの30%は、同社のゲームを初めてプレイするゲーマーであった。同ゲームは、短期間で同社の看板ゲームのひとつとなったのだ。

  レポートは、同ゲームのモバイル版リリースと中国市場進出に関して交渉を続けていることも報告している。このふたつの計画の実施時期に関しては何も書かれていないのだが、交渉が終わり次第新しい情報をアップデートすることを約束している。さらに同ゲームのシーズン2に関する情報は、同社が6月に開催するゲームイベント「EA PLAY 2019」にて発表することも予告した。

中国ゲーム市場の特異性

  Apex Legendsが新たな市場として進出しようとしている中国ゲーム市場は、任天堂も進出を計画していることが報じられたことからわかるように、ゲーム業界における新天地という認識が広がっている。こうした認識が広がる理由のひとつとして、中国大手ゲーム配給会社のテンセントの収益は6年連続で世界1位であるという報告をあげることができるだろう。  

 しかしながら、中国ゲーム市場は特異な市場でもある。そんな特異性を示す特徴として、PCとスマホがゲームデバイスのシェアのほとんどを占めており、ゲーム機がほとんど普及していないことが指摘できる。このため、Apex Legendsが中国進出を果たした場合、おそらくPC版とモバイル版が多くのプレイヤーを獲得するだろう(同ゲームにはPS4版とXbox One版もある)。

 同市場がほかの地域のゲーム市場ともっとも異なるのは、中国当局による検閲が存在することである。この検閲によって、内容の修正やサービス禁止を余儀なくされたゲームが数多くあるのだ。国内ゲームメディア『GameCast』は昨年12月、検閲によって修正やサービス禁止を余儀なくされたPCゲームについて報じた。サービス禁止処分をうけたゲームのなかにはフォートナイト、PUBG、さらには荒野行動といった人気バトロワゲームが含まれていた。ライバルゲームが軒並み禁止処分を受けるなか、Apex Legendsだけリリースが簡単に許可されるというのは考えにくい。それゆえ、中国進出をめぐる交渉は困難を極めると予想される。

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