Momoチャレンジはデマだった? そして、あの“自殺ゲーム”にも新たな検証記事が……
昨年から不気味な鳥の画像がアイコンに設定された広告が、ネットの世界を侵食していた。この広告はあるゲームに参加する入り口となっているのだが、そのゲームはかつてロシアで流行して問題視されたゲームに酷似していたのだ。しかし、このゲームは思わぬかたちで終了することになった。
不気味な鳥の画像が拡散
2018年の中頃、ある不気味な鳥の画像がアイコンに設定された広告が流れ始めた。この広告こそ、Momoチャレンジに誘う入り口だった。Momoチャレンジに関しては、国内エンタメ系メディア『エンタメニュースの知恵袋』がまとめ記事を公開している。その記事によると、Momoチャレンジを始めると、ゲームの主催者から暴力的な内容の画像が送られてきたうえで、何かを実行するような指示がある、というもの。指示に従わない場合には、「夜にお前のところに行く」や「呪いをかける」といった脅迫まがいの文句が送られてくる。
このゲームにおける指示は次第に暴力的な内容にエスカレートし、最終的に自殺を教唆するものになると言われている。そして、アルゼンチン・ブエノスアイレス在住の12歳の少女がこのゲームに参加したことで自殺に追い込まれた、という話も拡散した。
そして、今年に入りアメリカの著名モデルであるキム・カーダシアンが件のゲームについての注意喚起をInstagramに投稿して大きく注目されたことを、エンタメ系メディア『Front Row』は伝えている。この投稿にはYouTubeのMomoチャレンジに誘導する広告があるから直ちに調査してほしい、という訴えも含まれており、YouTube運営は調査に乗り出すこととなった。
YouTubeも声明を発表
しかし、アメリカの老舗総合メディア『The Atlantic』は、今年の2月28日、Momoチャレンジがデマであると報じた。その報道には、ブエノスアイレスで自殺したとされる少女の話も事実ではなく「単なる噂」だった、と述べている。また、同ゲームの象徴ともなった不気味な鳥についても、日本人アーティストの相蘇敬介氏が制作した造形物を引用していたことを伝えている。ちなみに、同氏は火傷などの特殊メイクや美術系の撮影用小道具を取り扱っている株式会社 LINK FACTORYの代表取締役を務めている。
また、同ゲームについて調査したYouTubeも、2月28日に調査結果を発表した。その発表によれば、YouTubeには同ゲームへの参加を促すような動画の存在は確認できなかった、とのこと。そして、同ゲームについて議論したり検証したりする動画を投稿することは許可するものも、同ゲームのような危険な行為を教唆する内容の動画はガイドラインに違反するので削除対象となる、とも述べた。さらに、子供向けサービスのYouTube Kidsにおいては同ゲームに関する一切のコンテンツは排除する、としている。