杉山すぴ豊が語る『東京コミコン2018』 コスプレや来日で年々熱を増す『コミコン』の魅力とは

杉山すぴ豊が語る東京コミコン2018

 今年の『東京コミコン』が開催され、盛況のうちに幕を閉じました。前回の動員が4万人。今回の動員が6万人と発表されていますから、イベントとしても成長していることが分かります。『コミコン』というのはコミック・コンベンションの略で、もともとアメリカでアメコミのファンと流通(コミック・ショップ)、アーティスト、出版社の交流イベントとして始まったそうです。そのうちアメコミはアニメになったりゲームになったり、おもちゃやグッズになったり、TVドラマ化されたり、なんといっても最近では映画になって大人気ですから、”紙”を超えて、こうした業界も注目するようになり、またスター・ウォーズやハリポタなど”アメコミ”ではないけれどアメコミ・ファンと親和性の高い周辺コンテンツも巻き込み、いまやオタク系ポップカルチャーの祭典になってきました。

 中でも毎夏、アメリカ西海岸で開催される『サンディエゴ・コミコン(SDCC)』は特に有名です。『SDCC』がクローズアップされるようになった理由は、ここでアメコミ系映画やドラマの発表をすることが多くなったため、エンタメ業界でも注目のイベントになったのです。『カンヌ映画祭』や『サンダンス映画祭』のように、『SDCC発』での映画情報というのは業界がさわぐようになりました。実際アベンジャーズのロバート・ダウニー・Jr.やスピルバーグ、クリストファー・ノーラン、J.J.エイブラムスなんてビッグネームが普通に来るのですから。『SDCC』が重要なのは夏開催ということもあります。というのもハリウッドの娯楽大作映画はサマームービーであるから、来夏公開の大作のキックオフをこの『SDCC』で始める、というのはスタートとして悪くないし、一方ドラマは秋に新シーズンが始まることが多いから、直前に視聴者=ファン獲得のための場としてSDCCは機能するわけです。

 日本でもアメコミ好きが増え、当然『SDCC』のことを知るわけですから、こういうお祭りを日本でもやってほしい! そういう声に動かされて始まったのが、この『東京コミコン』です。『東京コミコン』は、「『SDCC』に代表されるアメリカのコミコンの楽しさを日本でも味わえる」のが売りでもあるから、アメコミ系・ハリウッド系のコンテンツが多い。

トム・ヒドルストンのサプライズ登壇に沸く会場内

 また『東京コミコン』の目玉は、海外から大物スターを呼んでのサイン会・撮影会だったりします。今年はマーベル映画で大人気のロキを演じているトム・ヒドルストンも参加し、大盛り上がりでした。さらにメイン・ステージではこれからのアメコミ映画の発表やイベント、コスプレ・コンテストが行われたり、場内には様々なエンタメ系企業が趣向を凝らしたブースを展開。スパイダーマンの予告編に登場できたり、自分がアイアンマンとなって動けるようするデジタル・アトラクションや、バットマンの縁日があったりします。

 この手のイベントはSNSでの拡散が必須だから、フォトジェニックな展示も多い。等身大、つまり巨大なバンブルビー(トランスフォーマー)がおいてあったり、『ターミネーター2』でシュワちゃんが乗ったハーレーも展示されています。ハリウッド(洋物)コンテンツだけではなく、ウルトラマンや60年ぶりに復活する月光仮面関係の展示・発表、日本生まれのキャラでありながらハリウッド映画になる『名探偵ピカチュウ』『ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ』の発表も話題になっていました。さらに『カメラを止めるな!』や熱狂的なファンを持つ『バーフバリ』も参加!

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