にじさんじ・JK組がVTuber界にもたらしたもの  月ノ美兎、静凛、樋口楓、それぞれの活躍

VTuber界に“箱推し”の概念を浸透させた?

 キズナアイから始まったVTuber旋風。ライバーは基本的にひとり、多くてもふたりでの配信が一般的といえる。その中でにじさんじは1期生8名を一気にデビューさせ、翌月には2期生10名もデビュー。異例の大所帯ライバー集団となった。

 これだけの人数がいるにじさんじ。JK組を筆頭に多くの内部ユニット(定期的にコラボを行っているライバー)が生まれている。JK組内においても「かえみと」(楓と美兎)「かえりん」(楓と凛)などふたり単位でも棲み分けがされている。

 これは、にじさんじと二次創作との関係性が大きな影響を与えている。詳しくは当サイト掲載記事『月ノ美兎「Moon!!」をkzがリミックスして話題に! にじさんじと創作の関係を紐解く』にあるように、運営と視聴者の双方向性はこうしたユニットにも表れてくる。本人たちに見つかりやすい環境にあるにじさんじの創作物。ファンアートでのふたりが実際にコラボする例も少なくない。また良作が広まれば、ユニットの印象は視聴者により刻まれる。積極的なコラボ、そして二次創作によって箱推し(グループ全体を推す)やカップリングという概念がVTuber界に浸透していった。

 これは同じVTuberであるピーナッツくんの配信番組「はじめてのバーチャルYoutuber 中級」でも取り上げられていた。他のVTuberとのコラボでは生まれない仲間意識が、彼女たちの魅力をより引き立たせてくれるのだ。

【世界一受けたい】はじめてのバーチャルYoutuber 中級

「にじさんじ全体を引っ張るJK組の功績」

 彼女たちはもちろん、にじさんじにおいても初めてのコラボだったJK組。さらに初めてのオフラインコラボも樋口楓と静凛のふたりによるかえりん配信であり、グループの先頭に立って活動してきたことがわかる。その開拓精神は、個々の活動からも伺える。

 外部とのコラボも積極的に行っているのが月ノ美兎だ。漫画家・小林銅蟲とのコラボ企画「業界初!クリオネを食べるバーチャルYouTuber月ノ美兎 」やARuFaとダ・ヴィンチ・恐山による「匿名ラジオ」出演など、リアルとの垣根を超えた交流を行い、にじさんじの顔として広く知られるようになった。一方、樋口楓はにじさんじ内部でのコラボが多く、「でろもい」(でろーんとモイラ)「かえる」(楓とエルフのえる)などを定期的に行なっている。

匿名ラジオ/#113「初の外部ゲストを呼ぼう! バーチャルYoutuber月ノ美兎!」

 対照的に静凛は一人用ゲームが中心のためコラボは少ない。だがその分、にじさんじチームへの気遣いが良く見える。定期的にメンバーの放送予定をツイートしており、初期の頃は朝の5時にツイートしていたこともあった。(静凛Twitter:https://twitter.com/ShizuRin23

 改めて振り返ると、同じにじさんじでも活動の方向が異なっていることがよくわかる。それぞれがそれぞれの場所で戦っている分、JK組配信ではよりメンバーの安堵感が伝わってくる。視聴者を含めアットホームな雰囲気によってリラックスしたメンバーを見ることができるのも魅力の1つだ。

 9月24日からはよみうりランドとバーチャルライバーとのコラボ「Vtuber land!」において「にじさんじdays」もスタート。10月9日にはにじさんじ×nicocafeもオープンするなど、今後も話題に尽きることはない。

 今では50名以上のライバーを抱えるにじさんじ。名前は知っているけど誰から見ればいいかわからないという人もいるだろう。その時はぜひ、JK組をはじめとする気心知れたメンバー同士でやっているにじさんじコラボを見て欲しい。きっとVTuber界に新たな風を吹き込んだ彼女たちの魅力に引き込まれるはずだ。

(文=馬場翔大)

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