ラジオ系YouTuber「たっくーtvれいでぃお」はなぜ人気? 人を惹きつけるトークを考察
「たっくーtvれいでぃお」(以下たっくーtv)というYouTuberをご存じだろうか。“ラジオ系YouTuber”として、声と画像のみで動画を作り上げる彼のスタイルは話題を呼び、投稿開始から約1年でチャンネル登録者数46万人(2018年9月現在)を突破している。本稿では、“ラジオ系YouTuber”とはなんなのか、そしてトークのみでここまでの人を惹きつけるたっくーtvの魅力はどこにあるのかを考察していく。
気になるニュースを3分で紹介
昨年の8月から動画投稿を開始した、たっくーtv。主にネットで話題になっているニュースや都市伝説、心霊、YouTuberに関するトピックスなどを紹介しているチャンネルだ。
1本の動画が3分弱と非常に見やすく、題材もフレッシュなものが多いうえ、饒舌なトークとテンポ良く進むユーモア溢れる編集はリスナーを飽きさせない。また、モノマネも彼の武器の1つであり、関暁夫、南海キャンディーズ・山里亮太など鉄板のモノマネも多く持っている。また初期から投稿企画を多く行い、リスナーとともにチャンネルを作り上げてきた。最近でも「クソコラ選手権」「心霊写真募集」といった参加型企画を行っている。
また「30秒紹介」のコーナーでは他のYouTuberやアーティスト、企業など紹介してほしいものを募集。週末の動画では毎回ゲーム実況者などを紹介し、たっくーの感想も話している。リスナーとのコミュニケーションを欠かさないところは彼のチャンネルの特色のひとつ。トークスキルや題材のチョイスはもちろんだが、こうした地道なリスナーとのやりとりが今の結果に繋がっている。
たっくーtvのスタイルは新たな指標に
様々なジャンルが生まれてきているYouTuberシーンだが、いわゆるラジオ系に分類される時事ネタを紹介していくタイプのYouTuberはまだまだ認知度が低い印象である。レトルトやキヨといったゲーム実況者や、人気クリエイター集団・東海オンエアなどもラジオを投稿していたが、彼らにとってそれはあくまでもサブコンテンツであった。
そんな中たっくーtvは、言葉だけで説明するために時間が長くなりがちなラジオ系ながら、3分で動画をまとめることで支持を集めた。この手法は手軽に見られるというYouTubeの特性ともマッチしたアイディアであり、さらに情報ソースとしてYouTubeを利用する若者のニーズにも応えていた。
そして“動画”として見てもたっくーtvは秀逸だ。キレのあるボケとツッコミを編集を活かしながらひとりで行い、3分という短い時間にネタというネタを詰め込んでいる。ラジオとYouTube、2つの特性が最大限に活かされているのが彼のチャンネルだ。
実際たっくーtvの影響力は大きく、「たっくーtvに影響を受けてラジオ系YouTubeをはじめました」と語るチャンネルも多く見受けられた。たっくーはYouTube内外を問わずラジオ系YouTuberの指標となり始めているのだ。
同時期にYouTube投稿をはじめた心霊、都市伝説に特化した「Naokiman show」、ネットニュースを中心に取り上げ考察していく「キリン」などニュースと喋りを武器にするYouTuberたちも軒並み人気を得てきている。マイクさえあれば始められるというハードルの低さも含めて、これからジャンルの拡大も期待できる。