インディーゲーム百花繚乱! 米国任天堂が発表したSwitch向け新作タイトルを総まとめ
日本時間8月29日午前1時、米国任天堂こと「Nintendo of America」主催によるYouTubeライブ放送「Nintendo Switch Nindies Showcase Summer 2018」が実施された。
この放送はNintendo Switchで今後、配信予定のインディーゲームを紹介する特別番組で、昨年も数多くの新作が発表された。日本国内では8月23日より配信を開始し、リアルサウンド テックにもレビュー記事が掲載された、対戦型サードパーソンシューター『モーフィーズ・ロウ』も、この番組で発表されたものである。
今年もダイジェストを含め、実に20近いインディーゲームが番組内で紹介された。その中から日本国内での配信に期待したい(そして、配信が予定されている)注目タイトルをピックアップする。
『Mineko's Night Market』
カナダ・バンクーバー在住のゲームアーティストBrent "Meowza" Kobayashi氏率いる「Meowza Games」制作、Humble Bundleが販売を担当するシミュレーションアドベンチャーゲーム。2018年5月11日、国内の任天堂が公開したNintendo Switch向けインディーゲーム紹介番組「Indie World 2018 5.11」で日本語版配信も発表された作品だ。日本語版の名称は『ミネコのナイト・マーケット』。
題名にもある通り、プレイヤーは「ミネコ」と呼ばれる女の子となり、「フグ山」という日本風の島でお店を開いて商品を売ったり、町の人々と交流したり、時に島の謎を解き明かす冒険も行う盛り沢山な内容になっている。「Meowza Games」自ら明かしているように、同作は任天堂の『どうぶつの森』にインスパイアされており、キャラクターデザインと世界観、軽めの経営要素といった点で、その影響が顕著に表れている。動物も登場、それも猫をフィーチャーしているだけあって、猫好きならたまらない体験を味わえるはずだ。
当初は2018年内に国内でも配信が予定されていたが、番組内で2019年前半の配信に予定が変更された。大分延びてしまったが、先述の通り、日本での配信は確定していて、架け橋ゲームズがローカライズを担当することも告知されている。楽しみにその時を待とう。
また、Nintendo Switch以外にもPC(Windows/Mac)向けにも配信予定。こちらも日本語への対応が決まっている。
『Untitled Goose Game』
オーストラリアのインディーデベロッパー「House House」制作による、”スラップスティック・ステルスサンドボックス”を謳うゲーム。平たく言うなら「イタズラゲーム」で、ガチョウを操作して農園、お店などを巡って人間に迷惑行為を働いていくという、なんともシュールな内容だ。人間に対して行えるイタズラも、オブラートに包まずに言うと性悪なものばかりで、庭師が持っているカギを盗み取る、スプリンクラーを作動してずぶ濡れにさせる、昼食のサンドイッチを池に投げ捨てるなど、現実に起これば「うわぁ……」と引いてしまうようなことだが、ゲームとしてプレイすれば不思議な楽しさがある。本編はクエストという形でこれらのイタズラが指示され、その達成を目指していくことを基本としているようだ。
ビジュアルはほのぼのとしていて、映像で流れる音楽もピアノ主体の落ち着いた曲調だが、やることはイタズラ中心と、非常にシュールな雰囲気を醸し出している。ガチョウになって、それらを行っていくというのも奇抜だ。現実でも農作業、園芸の趣味をしている最中、動物に邪魔されることはあったりするが、それを動物側に立って体験できるという点でも興味深い作品。番組内での紹介によると2019年に配信。PC版も並行してリリースされるとのことだ。
日本語版のリリースに関しては現時点で不明であるが、映像を見るだけでも面白さとおかしさが伝わってくるので、将来的な配信実現に期待したい。
『Bastion』/『Transistor』
番組終盤では、近日中及び今後配信予定のNintendo Switch向けインディーゲームがダイジェスト映像で一挙公開された。その中で目を引いたのがSuperGiant Games制作によるアクションRPG『Bastion』と『Transistor』の二作。
『Bastion』は地殻変動によって崩壊した世界「Bastion」を舞台に、その謎の解明と世界の復興を目指すアクションRPG。2011年にXbox LIVEアーケード(Xbox360)で配信され、以降、PC(Windows/Mac/Linux)、PlayStaiton Vita、PlayStation 4、Xbox One、iOSと多岐に渡って移植されたSuperGiant Gamesの処女作だ。プレイヤーが歩く度に道が作られていく独特なマップ構成、繊細で緑豊かなビジュアル、適度な難易度で、アクション性も抜群の戦闘が魅力だ。今回のダイジェストでNintendo Switch版の配信が決定。海外では9月13日に配信されると告げられた。
続く『Transistor』もNintendo Switch版が発表。こちらは2018年11月1日にリリースされる。本作は『Bastion』に次ぐSuperGiant Gamesの二作目で、人々を襲う謎の存在「プロセス」によって崩壊の危機に瀕した巨大都市「クラウドバンク」を舞台に、喋る剣「トランジスター」を手にした歌手レッドが、自身を襲撃した者たちの後を追いながら、プロセスとの戦いに巻き込まれていくストーリーを描いたアクションRPGだ。シミュレーションゲームとアクションゲームが織り交ざった独特な戦闘システム、組み合わせによって多彩な戦術を可能とし、時にはゲームジャンルを変化させる効果まで及ぼす「ファンクション」、ネオン輝く美しい背景グラフィックを魅力とする。本作は国内でもPlayStation 4版が配信されているほか、Steamで配信されているPC版も日本語で楽しむことができる。
二作とも、日本でのリリースは告知されていないが、『Transistor』の実績があるだけに将来的には期待できる。また、SuperGiant Gamesは続く第三弾として、2017年に『Pyre』と呼ばれるRPGをPC(Windows/Mac/Linux)、PlayStation 4向けにリリース済みだが、現時点で日本語版はリリースされていない。こちらも将来的な配信に期待したいところだ。