アリアナ・グランデ「ストーリーテリングDJ」に見る、新たなパフォーマンスの可能性
気になるのは、DJの機材だ。使用しているコントローラーはPioneer DJの『DDJ-1000』。『rekordbox dj』(機能を拡張することで『rekordbox lyric』を使用可能)の専用コントローラーとして今年になって登場したばかりのフラッグシップモデルであり、「1000」のナンバリングが付けられていることから、世界中のクラブで標準となったミキサー『DJM-1000』やCDJ『CDJ-1000』の後継機を狙っているのだろう。
Pioneer DJは、DJ機材において世界で最も信頼を得ているブランドではあるが、DJソフトに関してはこれまでSerato社の『Serato DJ』やNative Instruments社の『Traktor』に後塵を拝してきた。『DDJ-1000』や『rekordbox dj』は、Pioneer DJの機材を長らく愛用してきたDJにとっては待望の製品であり、そこに今回のようなリリックをビジュアライズする機能が付与されたことは、DJプレイの未来を占う上でも興味深い。ヒップホップやR&Bのように、歌詞の意味が重要になるジャンルにおいて、このシステムが浸透する可能性は高いのではないだろうか。国内であれば、アニソンのDJたちにも需要があるだろう。
この日のパフォーマンスでは、「Problem」から「Break Free feat. Zedd」まで、計34曲が披露された。クラブのようなダイナミズムの中に歌詞のインパクトを織り込んだTJOに対し、リリックでストーリーを紡ぐことを重視したカワムラユキと、ストーリングDJにもスタイルの違いが見られたのも興味深かった。『rekordbox lyric』は、同じく『rekordbox dj』の拡張機能であるVJソフト『rekordbox video』との併用も可能とのことなので、VJプレイにも変革をもたらしそうである。「ストーリーテリングDJ」は現在、海外のクラブを中心に徐々に広がっているとのこと。日本でも当たり前に楽しめるようになる日は近いのかもしれない。
(文=松田広宣)
■リリース情報
アリアナ・グランデ『Sweetener』
2018年8月17日(金)全世界同時発売予定
予約注文受付中:https://arianagrande.lnk.to/AGswPR
国内盤※CDは全形態共通の内容
『スウィートナー ~スペシャル・プライス盤』CD:¥2,200(税抜)
『スウィートナー ~デラックス・エディション』CD+DVD:¥3,100(税抜)
<DVD収録予定>
「no tears left to cry」ミュージック・ビデオ
「the light is coming」ミュージック・ビデオ
アリアナ・グランデによる、日本のファンへのメッセージ
グッズ付
『スウィートナー ~ジャパン・スペシャル・エディション』:¥4,300(税抜)
グッズ:『スウィートナー』オリジナル・ポーチ
デジタルシングル
「no tears left to cry」
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