Google、スマートスピーカー出荷数で初めてAmazonを抜くーー市場は4強体制に突入

「その他」勢力のAppleは躍進なるか?

 以上のようなスマートスピーカー市場のレポートに関して、テック系メディアの『CNET』は、企業別シェアの「その他」に注目している。「その他」のシェアは、2017年第1四半期では1.1%だったのに対し、2018年第1四半期では17.3%となっており、成長率を見ると161%(約1.5倍強)を示している。この「その他」勢力は、2018年2月にリリースされたAppleのHomePodが多くを占めていると推測される。そして、成長率に着目すれば、HomePodは躍進していると見ることができる、と述べている。

 またテック系メディアの『Gizmodo』も、HomePodに注目している。同スピーカーは、競合する製品に比べて音質で高評価を得ている。その一方で、競合製品に比べて同スピーカーの価格が割高だったり、定額音楽サービスSpotifyをサポートしていないといった機能制限があることが、Appleファンが同スピーカーに殺到することを妨げている、と語っている。

 Android製品専門ニュースメディア『Android Authority』は、調査会社Strategy Analyticsのスマートスピーカー市場レポートとCanalysのそれが矛盾しているを報じている。Strategy Analyticsのレポートでは、Googleのスマートスピーカー出荷数が240万台に対して、Amazonは400万台で首位をキープしている。同メディアは、このふたつの調査のどちらがより信憑性があるかを決めるのは難しいとしつつも、どちらのレポート結果を見てもGoogleが成長しているのは否定しがたい、としている。

 いずれにしても、スマートスピーカーが世界で着実に普及していることは明白である。そして、スマートスピーカーがスマホに次ぐ身近な情報端末となる日もそう遠くないのかもしれない。そのときまでに、市場のシェアがどのように推移していくのか、競争はさらに加熱しそうだ。

参考記事
Canalys「Google beats Amazon to first place in smart speaker market
CNET「Google Home ships more units than Amazon Echo for the first time
Gizmodo「Google Just Turned a Huge Corner in the Smart Speaker Game
Android Authority「Has Google overtaken Amazon to become the number one smart speaker platform?
Strategy Analytics「Strategy Analytics: Amazon’s Global Smart Speaker Share Falls Below 50% in Q1 2018 as Competition Heats Up

トップ画像出典:Google Home公式サイト

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。
Twitter:@kohkiyoshi

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