出会いのカジュアル化を進める「タップル誕生」 “おでかけ機能”でマッチングアプリはどう変化する?

――例えば、飲食店とのコラボなど、ビジネス上の広がりも生まれそうです。

永友:ユーザーにとってもっと便利になり、お得になる連携は進めていきたいと考えています。スポーツ観戦の席をタップルでご用意できたりすると面白いですね。また、信頼性の高い企業さんとコラボレートすることができれば、マッチングサービスにネガティブなイメージを持たれている方にも、安心感を持っていただけるかもしれない。24時間365日の監視システムなど、安全・安心への取り組みにはもともと力を入れていますが、「こんなことをしています」と言葉で打ち出すより、コラボレーションによりお伝えした方がわかりやすく、実感もしていただけるのではと。

――今回リリースされたおでかけ機能は24歳の永友さんをはじめ、開発チームの皆さんも20代前半がメインだと聞きました。

永友:そうですね。20代前半のユーザーに本当に刺さるような体験を提供していきたいという思いがあり、あえて開発チームを20代若手を中心にで組んでおり、同世代の人たちに広く話を聞きながら開発にあたっています。私たちの世代だと、マッチングサービスで出会い、遊んだり、恋愛したりするというのは、とてもカジュアルなので、その感覚を大事にしようと。会社の先輩方に話を聞くと、20代後半でも「1回目に会うときは食事くらいで済ませて、本格的なデートは段階を踏んでから……という人が多いのですが、20代前半のユーザーにヒアリングを行うと、その多くが1回目から遊園地でデートしたり、それぞれの友人を交えてスノーボードに出かけたり、ということにも抵抗がなくて。いわゆる「出会い系」という後ろめたいイメージも持っていませんし、とてもオープンなんです。顔も名前も公開して、「タップルで出会って、カップルになりました!」とレポートしてくれるユーザーも多いですね。

――目下の話題は「おでかけ機能」ですが、中長期的にはどんなサービスにしていきたいと考えていますか?

永友:マッチングサービス全体として、「友だちと使う」ということができていないと考えています。つまり、使っていても「友だちには言わずにこっそり」というケースがまだまだ多いんです。ソーシャルゲームのように友人とつながって一緒に遊べるようになったら、もう一歩先に進めるのではないかと。例えば、3人で遊んでいて、「今から女の子と遊べないかな」と思ったときに、ちょうど近くで遊んでいる3人組の女の子と、すぐにマッチングする、ということが可能になれば面白いなと思います。長期的な目標になるかもしれませんが、飲み会があって、二次会で他の仲間と合流する、くらいのライトな感覚で、マッチングという体験ができるようになれば良いなと。

――同性異性問わず、仲間と出会えるものになる、ということもあり得るでしょうか。

永友:そうですね。20代の人たちの恋愛事情を知るために、街コンにもよく参加するのですが、そこにいる女の子たちに話を聞くと、恋人ができるのが理想だけれど、女友だちができる、ということにメリットを感じている人も多くて。そのあと、また二人で飲みに行ったり、街コンに行ったりするそうなんです。ですから、恋活を一緒にエンジョイする仲間を見つけられるようになると素晴らしいですし、“男女混合のグループ同士”をマッチングさせるようなサービスは、世界的に見てもまだないと思いますので、挑戦できたらいいですね。あれだけ一般的になったアメリカでも、友人に知られるのは少し恥ずかしい、という部分がまだ残っているようなので、「友人と一緒に使う」ということが当たり前のサービスにしていくことができれば、また新しい広がりが生まれると思います。

(構成・編集=編集部)

関連記事