Googleのミュージックシーケンサー「Song Maker」は、“作曲”の未来変えるか?

 AppleはMacやiPhoneというハードウェアで世界中の人の暮らし方を変えてきた。だからと言ってそれらは取り替えの効かないプロダクトというわけではない。本当の意味で生活に食い込み、必要不可欠となっているのが“クラウド”という大きな強みを生かして成長してきたGoogleだ。そんなGoogleが新しく発表したWebアプリが、ブラウザで使えるミュージックシーケンサー「Song Maker」。今後どのような展開を見せていくのだろうか。

デザインとテクノロジーで音楽をハックする

「CHORDS」

 「Song Maker」はそのシンプルな名前の通り「作曲」をするためのWebアプリ。これを発表したのはテクノロジーとデザインで音楽をより楽しく簡単に楽しめるように取り組む、Google発の音楽教育コンテンツプロジェクト「Chrome Music Lab」 だ。

 これまでに、鍵盤を模したインターフェースをクリックすることで直感的に三和音を鳴らすことができる「CHORDS」や、様々なパーカッションの組み合わせでリズムパターンを作ることができる「RYHTHM」など、そのキュートかつ直感的なデザインで、難しいことは抜きにして“曲を作る”コツを理解することができる教育的コンテンツを発表してきた。

パッと作曲、必要最低限の機能で曲作りを楽しむ

「Song Maker」

 同プロジェクトが今回発表した「Song Maker」は、ブラウザ上で操作可能な簡易的なシーケンサーだ。DTMソフトが普及し、安価なMIDIコントローラーも豊富になり、誰もがトラックメイカーとなることができるこの時代になぜ、ブラウザで使える簡素なシーケンサーなのか。たしかに、本格的なDTMソフトに比べれば機能はごく限られてはいるが、ピアノにストリングス、シンセにパーカッションなどの音色も揃い、BPMも変更できるから、こと「作曲」においては一通り体験することができる。

 作曲を一通り、簡単に体験する。これが「Song Maker」の楽しさであり重要なポイントだ。DTMの経験がある人、そしてなおかつ挫折してしまったユーザーにはわかるかもしれないが、ラップトップ上での曲作りは初心者に易しいとは言い難い。

 「Song Maker」に用意されたコマンドは決して多くはないが、だからこそ直感的に触って楽しめるよう設計されているのだ。このユーザーファーストの思想に則ったUI/UXは、さすがGoogleの仕事と言える。

 さらに、MIDIキーボードにも対応しているためよりテクニカルで本格的な楽曲制作も不可能ではない。しかも自分で歌った曲が音符に割り当てられる機能もあるので、楽器なんかわからない! という場合でもメロディを歌うだけで楽曲として形になる。

 また、作った曲は簡単にSNS上でシェアすることができる。通勤や通学の合間にサクッと作って共有し、楽しむという、これまでは「聴く」しかなかった音楽体験の新しい一面を得ることができそうだ。

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