『豊臣兄弟!』秀長と家康は“似た者同士”だった? 仲野太賀×松下洸平が生み出す共鳴

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』のクランクアップが発表され、物語はいよいよ最終局面へと向かっている。そこで重要になってくるのが“関白殿下”として暴走する秀吉(池松壮亮)を支える弟・秀長(仲野太賀)と臣従する家康(松下洸平)の存在である。彼らは家柄は違うものの、“誠の心”で通じあった似たもの同士という不思議な関係性にある。

かつて家康が若き藤吉郎(秀吉)に胸を叩きながら言った「大事なのはここじゃ」、さらに“天下分け目の戦い”と称される小牧・長久手の戦いなど、秀吉と家康の接近は多くあれど、秀長と家康の絡みは秀長が主人公の本作においてもなかなかなかった。そんな2人が第41回「家康の野望」で、本格的に相まみえることとなる。
6万の軍勢と共に上洛する家康を、秀長は接待役として大坂城にある自身の屋敷にてもてなす係を担った。警戒する家康の心を解き放ったのは豪勢な食事や芸ではなく、何事も真摯に打ち明ける誠の心だ。秀長と家康の共通点は、大切な者を失ったつらく苦しい経験。秀長は許嫁の直(白石聖)と嫡男の与一郎(大西利空)を、家康は妻の築山殿と嫡男の信康をそれぞれ亡くしている。家康は自身が妻と子を死に追いやってしまったという違いはあるが、根底にある「もう何も奪われたくない」という思いや、戦のない安寧の世という目指す場所は同じだ。

秀吉の大切なもの=秀長の命を奪うつもりだった家康の心が大きく揺れる。自ら用意した秀長への刺客による矢から身を呈して守り、北条の仕業に見せかけ秀長を殺すつもりであったという計画も白状し謝罪する。「秀吉 VS 家康」が小牧・長久手の戦いであれば、この宴が「秀長 VS 家康」の戦いの場であり、その軍配は翌日に家康を秀吉へと臣従を誓わせた秀長に上がったと言える。
『いちばんすきな花』(フジテレビ系)でのわずかな初共演から、『豊臣兄弟!』にて心待ちにしていた再共演を果たすことができた仲野と松下。先述した“つらく苦しかった経験”という共通点はあるが、このシーンの感動は、時に目頭を押さえながら過去と向き合い家康に吐露する秀長=仲野の必死な表情と、それに呼応するようにして秀長をかばうという行動へと突き動かされることとなる家康=松下の、見事な芝居あっての心の共鳴にある。

一方で秀吉の“名参謀”と言われ、政治面で兄を支える指南という立場にある秀長に対して、家康は秀吉を軍事面で支える将軍。社交的で明るい秀長と飄々とした捻くれ者の家康、といったように異なる部分も多くある2人。だからこそ、家康はそんな秀長の本音に心を揺さぶられ、自身の姑息さを恥じ、兄弟と共に安寧の世を目指していくことを決意する。秀長や家康だけでなく、石田三成(松本怜生)や黒田官兵衛(倉悠貴)といった様々な家臣あっての豊臣政権。その終わりを虎視眈々と待つ、家康の秘めたる野望は『豊臣兄弟!』では描かれることのない、また別の話である。
公式サイトにて公開されているキャストインタビュー「Toyotom! Bro’s File 〜松下洸平〜」で、「主演 仲野太賀と共有する悩み」を嬉々として語る松下(※)。大河ドラマの主演終わり一発目に、仲野に「バリッバリのラブコメ」を期待する松下の願いは叶うのだろうか。秀長と家康が秀吉のもとで志を共にする時間はもうすぐ終わりを迎えようとしているが、仲野と松下の“誠の心”で繋がれた関係性はこれからも続いていく。
参照
※ https://www.nhk.jp/g/ts/P52L88MYXY/blog/bl/pdRPMxDlrQ/bp/pYwZj3Bo0v/
■放送情報
大河ドラマ『豊臣兄弟!』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/毎週土曜13:05〜再放送
NHK BSにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、坂井真紀、宮澤エマ、倉沢杏菜
大東駿介、松下洸平、中島歩、要潤、山口馬木也、宮﨑あおい、小栗旬ほか
語り:安藤サクラ
脚本:八津弘幸
制作統括:松川博敬、堀内裕介
演出:渡邊良雄、渡辺哲也、田中正
音楽:木村秀彬
時代考証:黒田基樹、柴裕之
プロデューサー:高橋優香子、舟橋哲男、吉岡和彦(展開・プロモーション)、国友茜(広報)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P52L88MYXY
公式X(旧Twitter):@nhk_toyotomi
公式Instagram:@nhk_toyotomi






















