『VIVANT』二宮和也の“弟バディ”役は必然だった? 『流星の絆』『浅田家!』との共通点

『VIVANT』二宮和也の“弟バディ役”は必然?

 元々、これまでも二宮は観ている人の記憶に残る“兄弟役”を務めてきた俳優でもある。宮藤官九郎が脚本を手がけたドラマ『流星の絆』(2008年/TBS系)では、小学生のときに両親を殺された3人兄妹の長男・功一を演じた。弟の泰輔(錦戸亮)や妹の静奈(戸田恵梨香)のことを思いながらも、彼は両親を殺した犯人への復讐心を忘れたわけではなかった。警察の捜査が進むなかで、三浦友和演じる刑事・柏原とカレー店で会話するシーンでは、「犯人がわかったらどうするか」という端的な言葉を互いにぶつけ合い、2人の抱えた切実な思いを浮かび上がらせる。今も脳裏に焼きついて離れない名シーンだ。

 消えない憎しみと切実な思いを心の奥底で孤独に燃やし続ける二宮の姿は、単独初主演を飾った映画『青の炎』(2003年)でも印象深かった。ナイフのような鋭さと寂しさを宿す瞳は変わらないものの、他方で『流星の絆』では2人の弟妹に過保護なところを鬱陶しがられていじけるの姿も映し出されており、“兄・功一”は二宮の人間味溢れるキャラクターを垣間見させる役柄でもあった。

 一方で、弟役としては、映画『浅田家!』(2020年)で演じた主人公の奔放さと屈託のなさ、その裏に潜む憂いを一つひとつの表情に滲ませていた。写真家・浅田政志の写真集を原案にして描かれる本作では、中野量太監督の温かなまなざしによって、二宮演じる政志の憎めない人柄が最大限に引き出されていた。バラエティ番組でもたびたび垣間見える天性の愛嬌とのらりくらりと追及を交わしていく飄々とした雰囲気も相まって、家族の他愛のない会話に可笑しみや明るさが芽生えていく。妻夫木聡演じる兄の幸宏には再三小言を言われながらも、自身の原点である家族写真を携えて、夢中になってやりたいことを突き詰める政志のまっすぐさが愛おしかった。本作で二宮は第44回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞するなど、あらためて俳優としての実力を世間に知らしめる一作となった。

 憎しみと寂しさを秘めた兄としても、純粋で憎めない弟としても、観ている人々の記憶に刻まれている二宮の芝居。乃木と黒須がシンシーの監視下に置かれている今、ノコルを筆頭にした奪還作戦のメンバーの活躍は必要不可欠となる。最終回では、兄を助けるために全力を尽くすノコルの勇姿を楽しみにしつつ、第2シーズンで色濃く描かれた兄弟の絆を、最後に二宮がどのように表現するのかに注目したい。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、山中崇、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、花岡すみれ、本間さえ、二宮和也、宮下今日子、オーム・タナパック、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
公式X(旧Twitter):@TBS_VIVANT
公式Instagram:tbs_vivant
公式TikTok:vivant_tbs 

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