『いろはの恋は時代をかける』いろはの思いに胸が締めつけられる 光る大森元貴の“表現力”

『恋とき』大森元貴と上白石萌音の思いの交錯

 『いろはの恋は時代(とき)をかける』(TBS系)第4話は、いろは(上白石萌音)が関孝和(大森元貴)に寄せる思いの深さに、胸が締めつけられる回だった。一緒になれなくても、同じ空の下で生きていてくれたら、それでいい――。そんな切ない思いを抱えた彼女の前に現れたのは、関と瓜二つの男性。今度こそ、そばにいられるのだろうか。思わず期待してしまう出会いが、かえって恋しい人の不在を際立たせていく。

 関が残した算学絵馬を探しに、生琉(向井康二)と神社を訪れたいろは。そこで、関がのちに幕府の旗本になったと知り、改めて手の届かない存在であることを実感する。本来なら、気軽に言葉を交わすことさえかなわないほど身分の違う二人。算学が結びつけてくれた時間は、いろはにとってどれほど大切なものだったのだろうか。結ばれる未来を約束されなくても、相手がどこかで生きていると思えるだけで、日々を過ごしていける。そんな純粋な恋心を、どうして簡単に諦められるだろう。

 だからこそ、関と同じ顔をした蓮司(大森元貴/二役)を見つけたときの喜びが切ない。生琉と別れた後、夜遊びをしていた直也(吉田海怜)を家まで送り届けたいろはは、帰宅した彼の父親を見て言葉を失う。思わず「関様」と呼び、近づくものの、蓮司には何のことかわからない。それでも、いろはは蓮司に関の面影を重ねずにはいられなかった。

 この二役を演じる大森は、Mrs. GREEN APPLEのフロントマンとしておなじみの存在だ。同バンドのライブでは、歌に加えて芝居も交えながら、物語の世界を表現してきた。そこで培われた表現力が、俳優としても遺憾なく発揮されているのだろう。『#真相をお話しします』(2025年)では映画初出演にして菊池風磨とダブル主演を務め、つかみどころのない青年を好演。また、NHK連続テレビ小説『あんぱん』(2025年度前期)では、作曲家・いずみたくをモデルにしたいせたくやを演じ、音楽と芝居への情熱を溢れさせた。現代の青年も、昭和の作曲家も、江戸の和算家も、それぞれの時代に自然となじむ。そのたびに違う顔を見せてくれるのが面白い。

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