『ブラッサム』石橋静河演じる珠は“ギャルマインド”の持ち主? 宇野千代の言葉から紐解く

『ブラッサム』宇野千代の“ギャルマインド”

 今回の朝ドラヒロインは、“ギャルマインド”の持ち主かもしれない。9月28日よりスタートしたNHK連続テレビ小説『ブラッサム』。ヒロイン・葉野珠(石橋静河)のモデルとなったのは、「恋多き女」「自由奔放」などと評されながら、激動の時代を駆け抜けた作家・宇野千代だ。宇野は、小説家として作品を世に送り出す一方で、女性向けファッション誌を創刊し、着物のデザインも手がけるなど、多方面で才能を発揮。私生活では、4度の結婚と離婚を経験し、その波瀾万丈な人生そのものを創作の糧にしてきた。

 そんな彼女の生き方を、令和の言葉に置き換えるなら“ギャルマインド”という表現がしっくりくる。周囲からどう見られるかより、自分の好きに正直に生きる。たとえ失敗したって、そこで人生を終わりにしない。元祖・ポジティブ思考の持ち主とも言える宇野の人生を振り返ると、令和を生きるわたしたちにポップに生きるコツを教えてくれる人物なのかもしれないと思えてきた。

 まず、仕事に対するマインドからして、かなりのギャルだ。「まず行動すること。考えすぎてはいけない」と語っていた宇野は、やりたいことが見つかれば、できない理由を探すよりも先に動くことを大切にしていた。新しいことを始めるとき、「失敗したらどうしよう」などと考えれば、不安なんてものはいくつも見つかる。しかし、宇野はそんな不安に足を止められるよりも、一歩踏み出すことを選ぶ。その選択が、小説家・編集者・実業家・デザイナーとひとつの肩書きにはおさまらない生き方につながる。よく、「二兎を追うものは一兎をも得ず」という言葉を耳にするが、宇野の人生を見ていると、そもそも追いかけなければ、一兎だって手に入らないのだと思えてくる。

 もちろん、追いかけたものすべてが成功したわけじゃない。62歳のときには、自身が設立したスタイル社が負債を抱えて倒産。億とも言われるほど巨額な借金を背負いながらも、「平気でいれば、ある程度平気になるもの」というギャルマインドで、ふたたび仕事に打ち込んでいった。

 恋愛に関するマインドも、ギャルすぎる。「この恋は実ると暗示を与えてごらんなさい。あなたの恋は必ず成就します」という強気な恋愛観を持っていた。まだ何も始まっていないうちから、「どうせ無理」「うまくいくはずがない」と諦めるのではなく、自分自身が恋の成就を信じてみる。たしかに、相手の気持ちはコントロールできなくても、自分がどんな気持ちで恋に向き合うかは、自分次第だ。まだ起きてもいない未来を悲観するより、まずは「うまくいくはず」と信じて踏み出してみる。

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