『ブラッサム』動き出した“珠”石橋静河と“島村”工藤阿須加の恋 幸せな時間の思わぬ終わりも

NHK連続テレビ小説『ブラッサム』第14話では、珠(石橋静河)と島村(工藤阿須加)の恋が早くも大きく動き出す。互いに好意を抱きながらも、どこかぎこちなかった2人。ようやく素直な気持ちを伝え合うことができたものの、その関係が珠の教師としての立場を危うくすることになる。
体調を崩して学校を休んだ島村を心配し、自宅まで見舞いに訪れた珠。咳き込む島村に「ご迷惑でしたか?」と遠慮がちに尋ねるが、突然の訪問もまんざらではなさそうな雰囲気だ。部屋には紙が散らばっており、珠はその中から自分が受け持つクラスの名簿を見つける。島村は珠が教えている子どもたちがどんな子なのか、気になっていたという。

以前、島村がひょんなきっかけで珠の書いた「好き」という言葉を含む紙を目にして以来、2人の間には何とも気恥ずかしい空気が流れていた。互いの気持ちは薄々分かっている。それでも、いざ顔を合わせると、どう接していいのか分からない。そんな2人の関係が変わるのは、珠が病床の島村に雑炊を作る場面だ。
珠は「お見舞いに来られて良かった」と口にした後、少し間を置いて「嘘です。お見舞いがどうとか、心配じゃとか言う前に、ただ会いたかったんじゃ思います」と本音を打ち明ける。すると島村も「僕もです」と返す。珠は大きく表情を変えるわけではないが、内心は嬉しくてたまらないのだろう。石橋静河の抑えに抑えた芝居が、かえって珠の喜びを想像させる。

何より、珠の方から「会いたかった」と伝えたことが印象的だ。父・清治(渡部篤郎)が決めた縁談では、夫に目も合わせてもらえず、結局は嫁入りから3日もたたずに家を飛び出すことになった。そんな経験をした珠が、今度は自分の気持ちに正直になり、好きな人に思いを伝えている。相手も同じ気持ちだったというのだから、これほど嬉しいことはないだろう。
翌日、体調が回復した島村が学校へ戻ってくる。島村は「昨日はありがとう。良かったです」と紙に書いて珠に伝える。直接言えば済むことなのに、わざわざ文字にするところが何とも微笑ましい。周囲に児童がいる学校という場所もあってか、2人の間には相変わらずもどかしさが残っている。
一方、珠の教師としての生活も順調だった。1学期には問題児だった次郎(渋谷そらじ)も、珠の根気強い働きかけによって前向きに勉強に励むようになっていた。すぐに結果が出なくても、諦めずに子どもと向き合う珠の姿勢が、少しずつ実を結んでいく。

そんななか、珠は再び島村の自宅を訪れる。話題は珠が女学校時代に書いた『黎明』に及び、島村はぜひ読んでみたいと興味を示す。第1週では、清治について書いた作文が父娘の距離を縮めるきっかけにもなっていた。幼い頃から文章を書くことに親しんできた珠にとって、自分の書いたものに関心を持ってくれる島村の存在は嬉しいはず。珠がどんなことを考え、何を書いてきたのか。そんな過去の一面まで知ろうとする島村の姿からも、珠という一人の人間に惹かれていることが伝わってくる。
いつしか話は弾み、珠が帰らなければならない時間になってしまう。すると島村は「もうちょっといませんか?」と引き止める。先日は珠から会いたかったと伝えたが、今度は島村がもう少し一緒にいたいと口にした。最初は互いの顔色をうかがっていた2人も、次第に素直な気持ちを伝えられるようになってきたようだ。

しかし、そんな幸せな時間は思わぬかたちで終わりを迎える。島村の家から帰る珠の姿を、何者かが目撃していたのだ。やがて珠は校長室に呼び出され、このままでは児童の前に立たせるわけにはいかないと告げられてしまう。事実上の謹慎処分である。
教師としての仕事ぶりに問題があったわけではない。むしろ珠は、次郎をはじめとする子どもたちと懸命に向き合い、ようやくその成果が表れ始めていた。それにもかかわらず、男性の家に出入りしていたという私生活での行動が問題視される。当時の女性教師に向けられていた厳しい目を感じさせる展開だ。
■放送情報
2026年度後期 連続テレビ小説『ブラッサム』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜から金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:石橋静河、加賀まりこ、松たか子、国仲涼子、渡部篤郎ほか
作:櫻井剛、小松與志子
主題歌:YOASOBI
制作統括:村山峻平、櫻井壮一
プロデューサー:大野陽平
演出:盆子原誠、中泉慧、佐藤玲衣、田中陽児、小林直毅、野田雄介
写真提供=NHK



















