興収で読む北米映画トレンド
『アベンジャーズ/エンドゲーム』7年ぶり北米No.1 『ハート・オブ・ビースト』は初登場3位

『アベンジャーズ/エンドゲーム』が、7年ぶりに北米映画週末ランキングの首位に返り咲いた。
9月25日~27日の北米市場でNo.1となったのは、2019年の大ヒット作に新映像を追加した『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』。北米3060館で週末興行収入2600万ドルを記録し、海外興収6000万ドルとあわせて、世界では8600万ドルを稼ぎ出した。
再上映作品としては異例の規模だ。北米初動2600万ドルは、1997年『スター・ウォーズ』特別篇の3590万ドル、2011年『ライオン・キング』3D版の3020万ドルに次ぐ歴代3位。海外6000万ドルも、2012年『タイタニック』3D版の6700万ドルに次ぐ、歴代2位の再上映オープニングとなった。
この週末を経て、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の世界累計興収は28億8500万ドルに上昇し、歴代1位『アバター』(2009年)の29億2000万ドルに3500万ドル差まで迫った。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)「インフィニティ・サーガ」の集大成で、コミック映画の全盛を象徴する一作。今回は単なるリバイバルではなく、12月18日に日米同時公開される『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に向けた新映像が追加されたバージョンだ。

本作から、ディズニーは大型スクリーンや映写・音響などの条件を満たす映画館を認証する「INFINITY VISION」を導入。本作では通常上映で2分6秒、INFINITY VISIONでは6分17秒と、新映像を差別化する施策を用いた。北米では週末興収の52%をINFINITY VISIONが、プレミアムラージフォーマット上映(IMAX含む)が60%を占めたという。
男女比は男性60%・女性40%。年代別では18~34歳が観客の66%を占めており、再上映ながら若い観客層を大きく動かしたことがわかる。ディズニーの世界配給責任者アンドリュー・クリップスも、「7年前の、すでにディズニープラスでも配信されている」作品がこれだけの初動を記録したことに驚き、ファンベースの強さが改めて証明されたと強調した。
北米市場全体の週末興収は1億2230万ドルで、年間の第39週としては、『モンスター・ホテル2』が市場を牽引した2015年(1億3780万ドル)以来の高水準。しかも『アベンジャーズ/エンドゲーム』一強ではなく、上位4作品の合計が8849万ドルと、全体の約72%を占めた。1位と4位の差はわずか680万ドルという接戦である。
第2位は『バイオハザード』で、公開2週目で2330万ドル。前週比61.3%減と下落率は大きいが、初週の勢いが強く、北米累計は1億347万ドルに到達した。すでに北米だけで歴代シリーズ作品の最終興収をすべて上回っている。製作費7500万ドルに対し、世界累計は1億9650万ドルという“大成功”の成績だ。日本では10月9日公開。

第3位には、ブラッド・ピット主演『ハート・オブ・ビースト』が初登場。北米3435館で2000万ドルを記録し、事前予測の1800万ドルを上回った。海外63市場では3010万ドル、世界初動は5010万ドルとなった。

ピット演じる退役軍人ジェームズ・ベルモントが、飛行機事故によって元軍用偵察犬オーディンとともにアラスカ奥地へ取り残され、過酷な道のりを経て生還を目指すサバイバルドラマ。監督はデヴィッド・エアーで、ピットとは『フューリー』(2014年)以来の再タッグとなった。
男女比は男性56%・女性44%。特徴的なのは観客の年齢で、55歳以上が31%、45歳以上まで広げるとほぼ半数を占めた。Rotten Tomatoesでは批評家スコア88%・観客スコア94%、映画館の出口調査に基づくCinemaScoreは「A-」と評価は高いため、「大人向け映画」の魅力をいかに広げられるかが課題だろう。製作費は8200万ドル。




















