関根明良×小清水亜美『天幕のジャードゥーガル』対談 「お互いの炎が一つになった感覚」

 テレビ朝日系全国24局ネット“IMAnimation”枠、BS朝日ほかにて放送中のTVアニメ『天幕のジャードゥーガル』は、母と故郷を失った元奴隷の少女・シタラ(ファーティマ)が、モンゴル皇帝の第六夫人・ドレゲネと出会い、知恵を武器に運命を切り開いていく物語だ。

 歴史を題材にしながらも、個性豊かなキャラクターたちのドラマが大きな魅力となっている本作。そんな本作で、シタラ役を演じている関根明良とドレゲネ役の小清水亜美にインタビュー。原作との出会いから、シタラとドレゲネの関係性、作品に込められた人間ドラマの奥深さ、そしてアフレコ現場のエピソードまで、息の合ったトークで語り合ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

“視点が変わる”人間ドラマとしての魅力

ーーお二人とも原作に触れる前は、タイトルやビジュアルからどのような作品を想像されていましたか? また、実際に原作を読んで最初に惹かれたポイントを教えてください。

関根明良(以下、関根):史実をもとにした歴史作品なんだろうなと思っていました。絵柄がとてもかわいらしいので、シタラがいろいろな人と出会いながら成長していくお話なのかな、と。でも実際に読んでみると、幸せから絶望にたたき落とされる姿に驚きました。シタラにとって大切な人たちがどんどんいなくなってって……。その衝撃がとても大きく、一気に作品に引き込まれました。かわいらしい絵柄と描かれる物語のギャップは本作の魅力の一つだなと感じます。

小清水亜美(以下、小清水): わかります。私は表紙のビジュアルを見たとき、「何かを売る話なのかな?」って思いました(笑)。露店でフルーツとか宝石を売る人たちのお話なのかな、みたいな。でも読んでみたら全然違っていて。もちろん作中には売り買いの要素も出てくるんですけど、実際の歴史をベースにしながら、そこに人間の感情や会話がすごく自然に乗っている作品だなと思いました。読んでいて面白かったのは、自分の見方がどんどん変わっていくところです。最初はこう思っていたのに、別の立場から見るとまた違って見える。その感覚がすごく新鮮で驚きました。

関根明良

ーー小清水さんもおっしゃっていたように、本作の魅力の一つは物語が進むにつれて登場人物の見え方や、善悪の捉え方そのものが変化していく部分にありますよね。

関根:そうですね。このシビアな世界観の中にありながら、どのキャラクターにもちゃんと愛情が注がれている作品だなと感じます。シタラもたくさんの出会いの中で、これまで知らなかった感情に触れながら成長していきますが、その過程がとても魅力的なんです。最初は復讐の炎を燃やしていて、過酷な現実と向き合いながらも立ち上がる強い女の子という印象がありました。でも物語が進むにつれて、その炎が少し弱まる瞬間もあって。周囲の人たちも現状を受け入れていたりと変化する中、「ここから新しい人生を始めてもいいのかもしれない」と彼女自身も揺らぐ姿を見て、決して強いだけの人ではないんだなと感じました。その人間らしさがすごく印象に残っています。

小清水:うんうん。シタラたちの目線で見える世界と、モンゴル側のオゴタイたちから見える世界がまず違いますし、さらにドレゲネの過去を通して別の部族の視点も描かれていくんですよね。その視点の切り替え方がとても自然で、読んでいる側は一つの価値観だけに縛られないまま物語を追うことができる。だから「この人が絶対に正しい」「この人が絶対に悪い」と単純にはならないんです。もちろん自分の好きな視点に寄り添って読むこともできるんですけど、それだけでは終わらせない懐の深さがある作品だなと思います。

関根:私は第1話から第2話で描かれるシタラの幸せな日々がすごく大きいと思っていて。その思い出があるからこそ、復讐の炎が弱まることはあっても完全には消えないんですよね。

小清水亜美

ーーシタラとドレゲネの関係性の描かれ方についてはどう感じましたか?

関根:シタラ視点としては、ドレゲネ様と出会い、お互いが持っていた炎が一つになったような感覚がありました。2人でいることで、ひとりでは成し遂げられなかったことができるように感じますし、それぞれの足りない部分を補い合える。成長という言葉で表していいものかわかりませんが、2人の関係性はとても魅力的だなと思います。

小清水:私もそう思います。シタラとドレゲネの関係性を見ていると、お互いが前に進む勇気を与え合っているように感じるんです。そして、それはこの作品全体の魅力にもつながっていると思います。どのキャラクターにも共感できる部分がある一方で、立場が変われば憎むこともできる。誰か一人を完全な善人にも悪人にもしていないんですよね。その絶妙なバランス感覚が、この作品のすごさだと思っています。

関根:過酷な状況の中だからこそ、ドレゲネ様との出会いはシタラにとってとても大きな衝撃だったと思います。ただ、史実をもとにした作品でもあるので、この先に待っている結末は、史実通りになるのか気になります。どうしても少し切ない気持ちになりますが、だからこそ、2人が共に歩んでいく時間を大切に思えますし胸に響くなと思います。

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