『ラストノート』騙し合いバトルに早くも終止符 “澄晴”寺西拓人の「現実みろ」が刺さる
幼なじみの龍太(草川拓弥)によれば、眞澄は澄晴を男手一つで育て上げ、いずれは自分の会社を継がせようと頑張っていたという。しかし、いつしか親子関係が悪化し、眞澄は会社を畳んですっかり荒れてしまった。それもすべて自分が夢を見たせいだと澄晴は思っているようだ。
だから、今はただ眞澄に養育費を返すためだけに、感情を殺して働いている。女性を騙して、騙して、騙して、いつしか自分の本当の気持ちも分からなくなってしまったのではないだろうか。そんな澄晴の中に、まだわずかに残っている善性が見えた瞬間があった。
それは澄晴が新たにマッチングアプリで見つけた女性とデートしている時のこと。「必死でがんばってる人ってきれいだから」とお決まりの台詞で相手を口説き落とそうとするが、葵の言葉を思い出して言い淀むのだ。
たしかに葵と澄晴は夢を手放してから、大きな期待は持たず、日々を淡々と生きているという点では似ているかもしれない。でも、2人には一つだけ決定的に違うところがある。澄晴は優子のように、自分の薄っぺらい言葉に騙されるくらい孤独で、されど希望を失わない年上の女性たちがどこかで羨ましかったのではないか。だからこそ、その希望を打ち砕いてやりたくなる。
一方で、葵は自分と正反対な優子のことを心から尊敬している。そういう傷ついた過去を免罪符に他者を傷つけず、むしろ優しさを持てる高潔で凛とした葵に出会って、澄晴の心は少しずつ変化し始めていた。
それなのに、再び“現実”が澄晴の頬を叩く。スマホの通知画面を見て驚いた後、どこかへ急ぐ澄晴。てっきり元夫の創(徳井義実)に「少しでも(花の香りを取り戻せる)可能性があるなら、しがみつけよ」と背中を押された葵から連絡がきたのかと思いきや、澄晴を待っていたのは優子だった。
働き始めたスナックで再会した元同級生に褒められて自信がついたのか、若々しいワンピース姿で現れた優子。自分に自信を持つことも、好きな服を着ることも決して悪いことではない。だが、今の彼女は騙されていた事実を受け入れられず、澄晴への執着から暴走しているように見える。葵が「澄晴に返してもらった」と嘘をついて、自腹で払った160万もすぐに貢いでしまいそうだ。
一方、葵は突如現れた眞澄に「許しませんから」と告げられる。他人が自分たちの親子関係に介入することを許さず、徹底的に澄晴を支配下に置こうとする眞澄の存在もまた不穏。やはりまだ純愛ドラマとは言い難いストーリー展開に、視聴者の私たちはしばらく翻弄されそうだ。
■放送情報
木曜劇場『ラストノート』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00〜22:54放送
出演:内田有紀、寺西拓人、坂井真紀、桜井日奈子、草川拓弥、徳井義実、佐々木蔵之介ほか
脚本:的場友見
演出:相沢秀幸、中前勇児
プロデュース:三竿玲子
主題歌:椎名林檎「裸」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
制作・著作:フジテレビ
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