『ラストノート』騙し合いバトルに早くも終止符 “澄晴”寺西拓人の「現実みろ」が刺さる

 花の香りだけが分からなくなる嗅覚障害を患い、調香師の仕事を辞めた葵(内田有紀)は「変化もサプライズもいらない」と、現状維持の日常を送っていた。しかし、親友が騙された証拠を掴むため、約20歳年下の詐欺師・澄晴(寺西拓人)と疑似恋愛することになる。

 “大人の純愛ドラマ”という触れ込みからは想像もつかない展開で幕を開けた『ラストノート』(フジテレビ系)。第2話では、澄晴が葵の正体に気づき、騙し合いバトルに早くも終止符が打たれる。

 澄晴から一輪のピオニーを渡された時、失われたはずの香りを感じた葵。しかし、それは一瞬の出来事であり、すぐ元に戻ってしまう。花の香りも夢も取り戻すための手がかりが得られるかもしれないという一縷の望みをかけ、葵は再び澄晴に会うことを決意するのだった。

 一方、澄晴は父・眞澄(佐々木蔵之介)が起こしたトラブルを示談で終わらせるため、上司の新谷(淵上泰史)に給料の前借りを頼む。しかし、新谷から突きつけられたのは、「2週間以内に300万円を売り上げること、できなければクビ」という無慈悲な条件だった。

 追い詰められた澄晴は葵に価値を偽った絵画を買わせるべく、ギャラリーへ連れていく。葵にとっては詐欺の証拠を得る絶好のチャンスだ。しかし、ボイスレコーダーを落としてしまい、澄晴に目的を悟られてしまう

 やむを得ず、葵は本当のことを打ち明け、親友の優子(坂井真紀)から奪ったお金を返してもらおうと澄晴の善意に訴えかけるが、すべて逆効果だった。父親が遺してくれたお金を澄晴に騙し取られた優子。その事実も、「必死に生きたこともないでしょ!」という葵の言葉も、澄晴の神経を逆撫でする。

「必死に生きてるから何? 結局、空っぽだったら意味ないだろ」「伝えといてよ、お友達に。『現実みろ』って」

 そんなあまりに酷い言葉で優子を侮辱された葵は、思わず手が出そうになる。だが、澄晴の表情もどこか苦しそうで、自分が吐き出した言葉に彼自身もまた傷ついているように見えた。

 アトリエに行く前に立ち寄った花屋で、葵と同じ名前の花の絵を描いた澄晴。葵が驚くほどに絵が上手いのは、学生時代に絵描きを目指していたからだ。だが、眞澄に「現実みろ」と反対され、絵を描き溜めたスケッチブックも捨てられてしまった。

 つまり、葵と澄晴は、夢を諦めざるを得なかった者同士。東京タワーから見える夜景の輝きに圧倒されながら「他人事みたい」と呟いた葵に、澄晴が自分と似た香りを感じたのはそのためだろう。だから余計、葵に自分の生き方を否定されたことが腹立たしかったのかもしれない。

 気になるのは、すでに自立した大人である澄晴が未だ眞澄に縛られていることだ。眞澄からの理不尽な仕打ちに耐えずとも、恋人の莉奈(桜井日奈子)が言うように、さっさと縁を切って自分の好きな道を歩むことだってできるはず。それなのに澄晴が眞澄を見捨てられないのは、罪悪感があるから。

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