STARGLOW 日穏、桜井日奈子の足の速さに驚き 初共演の印象と『死神バーバー』撮影秘話

 どこかクスッと笑えて、泣きたくなるほど愛おしい。6月26日から公開中の映画『死神バーバー』は、新米死神のミスによって余命数日になる運命を知らされることになった美容師・佐伯美帆と、彼女に寄り添う死神・サクマの奇妙な数日間を描くヒューマンファンタジーだ。 

 突然の運命に戸惑いながらも懸命に生きる主人公・美帆を確かな演技力で体現したのは、幅広い話題作で活躍を続ける桜井日奈子。そして、1020歳でありながら人間社会に「なぜ?」を抱き続けるピュアな新米死神・サクマを、BMSG所属のグループ・STARGLOWのメンバーであり、俳優としても躍進する注目の新星・日穏が演じている。

 「死」という重いテーマを扱いながらも、いまおかしんじ監督の軽やかな演出によって温かな余韻を残す本作。人間らしさあふれる死神たちの裏話から、いまおか組ならではのユニークな撮影現場、そして人生の最後に残る「記憶と思い」まで、桜井と日穏にたっぷりと語ってもらった。

桜井日奈子の“迫力”と日穏の“説得力”

ーー最初に脚本を読んだときと、完成した映像を観たときの違いや印象からお聞かせいただけますか?

桜井日奈子(以下、桜井):脚本を読んだ段階で「面白い作品になりそうだな」と思っていましたが、完成した映像を観てみると、自分が思い描いていたキャラクター像とは少し違っていました。それはいまおか監督の演出によるものだと思いますが、一番想像と違ったのは死神のキャラクターたちです。日穏くん演じるサクマはもちろん、岡部(大)さん演じるクロダや、ほかの死神たちも、すごく人間くさくて。それがとてもよかったんです。そもそもファンタジーの設定なので、死神たちがあまりにもキャラクターっぽすぎると全体の雰囲気が変わってしまうと思います。彼らは本当に人間っぽくて、死神の集まりの中にも人間社会の会社のような上下関係があったりする。「面倒くさいんだな」と思いつつ、死神には理解できない「人間らしさ」を、サクマがだんだんと理解していく。そういったキャラクターの雰囲気が、最初に想像していたものと違って面白かったです。

日穏:まだ俳優の経験もそこまで多くないので、撮影中はどういうふうに映っているか想像しきれない部分がありました。自分の感覚だけで演じていたつもりだったのですが、いざ映像で観てみると、それこそ「人間っぽい死神」がそこにいて。でも、ちょっと違和感のある動きもたくさん取り入れられているので、その絶妙な違いが見えてすごくいいなと思いました。あとは単純に、映像のテイストがめちゃくちゃ良かったです。撮影の達富(航平)さんをはじめとするチームに撮っていただいたのですが、本当に自分の好きな映像のテイストで、色味もすごく好きでした。

桜井:すごくおしゃれだったよね。

日穏:めちゃくちゃおしゃれでした。後半の桜井さんと僕の長回し芝居も、一連でずっと7分間撮っているんです。普通だったら「寄りたい」と思うようなところも、あえて引きでずっと撮っていたりして。撮影チームがすっごく楽しそうに撮っていたじゃないですか。達富さんがカット割りを決めて「カット!」って言うと、いまおか監督が後ろで「いいと思うよ!」と太鼓判を押すみたいな(笑)。細かいディテールまでこだわっていて、その空気も含めて最高でした。

(左から)桜井日奈子、日穏

ーー本作にはまさに「映画を観た」という満足感がありました。日穏さんは映画『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』のときも「ちょっと特殊なキャラが似合う」と制作陣から言われていましたが、今回もある種、“人間ではない”役です。桜井さんから見て、日穏さんのそういった特殊な役柄が似合う魅力はどこにあると感じますか?

桜井:私も『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』を観たときに、「なんて色っぽい子なんだ」と思っていました。今回、日穏くんは「死神の役作りをどうすればいいか分からなかった」と言っていたんですけど、全然そんなことはなくて、お芝居にすごく説得力があるんです。そういう人間離れした役をやるとだいたい浮いてしまうし、こなせる人はそんなに多くないと思います。持って生まれたものというか、日穏くんが歩んできた人生の積み重ねがにじみ出ているのかもしれません。私は逆に、日穏くんが泣いたり笑ったり、感情の起伏が激しい役を演じるところも見てみたいですね。

日穏:本当に嬉しい言葉です……!

ーー日穏さんは桜井さんと共演してみて、役者としてどんな魅力があると感じましたか?

日穏:本当に、すごい大女優さんで……。

桜井:いやいや、やめてよ(笑)。

桜井日奈子

日穏:もちろん存じ上げてはいたんですけど、いざ共演してお芝居させていただくと、セリフ一つひとつを本当に意味のあるものにされているなと感じました。最初に「迫力がすごいな」と思ったんです。怒るシーンもそうですが、セリフを大事にしているからこそ筋が通っていて、ハッとさせられる部分がたくさんありました。サクマとしてそこにいるんですが、普通に感動してしまったところが何度もあって。

桜井:嬉しいです。

ーー劇中ではサクマが美帆から影響を受けていきますが、リアルでも日穏さんが現場で影響を受けた部分はありましたか?

日穏:めちゃくちゃありました。すごく元気いっぱいに現場の雰囲気を盛り上げてくださって、そこは美帆と重なる部分がありました。あと、特にビックリしたのは、美帆が同僚の子を追いかけて走っていくシーンです。セリフでも「速い!」と言われていますが、本当に桜井さんの足が速いなと思って(笑)。

桜井:ガチ走りしてますからね(笑)。

日穏:効果音や後付けじゃなくて、マジで足が速い人の走り方だったんで(笑)。

桜井:あの瞬間は一瞬役を降りてたかもしれないです(笑)。本当にただ私が全力疾走していました。引きで撮っているシーンで、車の通行や空の音など、いろいろな兼ね合いがあって撮影のタイミングが難しかったんです。「用意、スタート!」の後に、次撮影できるまで少し時間が空いてしまったりしたので、「なるべく1回で済ませるぞ!」という気持ちでダッシュしていました。

日穏

ーーヘアサロン「DASH」の同僚・山口(佐久間祥朗)とのシーンですね。

桜井:佐久間さんがちゃんとイラっとさせてくるお芝居で(笑)。売り言葉に買い言葉のようなシーンでしたが、嘘は言っていない、本当の心でぶつかり合う熱い場面でした。熱すぎて大丈夫かなとも思いましたが、走った勢いのままの感情がしっかり出せました。全力疾走から一連の長回しで撮っていただいたので、リアルな気持ちが映像に乗っていると思います。

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