『風、薫る』りんが犯した“禁忌”は患者のための行動か 不穏な次週予告で衝撃的なセリフも

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』第14週「ウソと誠」第70話では、りん(見上愛)が余命1週間の患者・山本(本田大輔)を病院から連れ出してしまう。次週の予告内容と相まって、不穏な展開となる雰囲気が漂っている。

 山本には毎年8月に行われる花火の日に妻のテイ(伊勢佳世)と牛鍋を食べるという夫婦の大切な約束があった。ようやく迎えられた約束の花火の日。しかし、テイはその1週間前から発熱で倒れ、見舞いにも来られない状態に。その影響か、山本は目に見えて弱り、食事もほぼ何も喉を通らないようになっていた。

 教授の今井(古川雄大)が言うには、今帰宅したら命の保証はないという、命の瀬戸際。それでも山本には命を懸けてでも、家に帰らなければならない理由があった。それはテイに誠の、本当の気持ちを伝えること。「無理して手術なんか受けさせなけりゃよかった」と悔いているテイの自責の念を晴らすため、山本は身体にウソをついてでも妻の元に向かわなければならなかった。

 山本の必死の願いに、りんは人力車を走らせてしまう。空に打ち上がる花火の光が、2人を乗せた人力車を照らす。看護婦としては決してあってはならない行動だが、直美(上坂樹里)とのある会話がりんの動機を説明していた。環(英茉)を寝かしつけたりんは、縁側でお茶を飲む直美と山本の話に。家族の気持ちを察した直美は「私のときは言ってよ。いろいろ思い残すことないようにやっときたいから」と包み隠さず全てを打ち明けてほしいと自身の考えを明かす。対して、りんは「どっちでもいいかな。みんなが悔いのないほうで」と残された家族のことを思っていた。「あれ、やだ。私たち、いつまで一緒にいるの?」という直美のセリフが示すように、“おばあちゃん”になっても一緒に暮らすような仲なのか、と驚きを覚えつつも、ここで大切なのは「悔いのない」という考えが山本と一致していることだ。

 「しなきゃいけない、無茶なんだ……。最後に一つ、嘘をつかせてほしい。助けてください……」とか細い声で頭を下げる山本に、りんはしばらく考え込む。ひぐらしの声が鳴り止んだ15秒。カメラはじっとりんの表情を映し出し、悩み、やがて覚悟を決める見上愛の目の芝居を捉えている。

 そこに後悔はなくとも、責任は問われることになるだろう。正解か、間違いかという判断は看護とは何かに繋がっているのかもしれない。第15週「差し出せぬ手」の予告では、捨松(多部未華子)とその夫・巌(髙嶋政宏)の久々の再登場がありつつ、環の「お母さん、看護婦辞めちゃうの?」という衝撃的なセリフで幕を閉じている。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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