興収で読む北米映画トレンド

『トイ・ストーリー5』北米No.1 2026年最高のスタート&シリーズ記録も更新

 今週第2位のスティーヴン・スピルバーグ監督『ディスクロージャー・デイ』は、週末興収1700万ドルで前週比マイナス61.8%。初週は予想以上の発進でスピルバーグの集客力を示したものの、2週目の下落はやや大きく、新たな観客をうまくつかめていない印象だ。北米累計は7828万ドル、世界累計1億6043万ドル。製作費1億1500万ドルを回収するには、世界興収3億ドル前後が採算ラインとみられる。

『ディスクロージャー・デイ』©Universal Studios. All Rights Reserved.

 これに対して、依然強いのが初夏からのホラー映画人気だ。

 第3位『オブセッション 災愛』は週末興収1420万ドルを記録し(前週比マイナス25.3%)、6週目にしてようやく初週成績を下回った。異例の推移ゆえ、北米累計は2億1583万ドル、世界累計は3億3327万ドルに達している。

『オブセッション 災愛』©2026 Focus Features LLC.

 第4位『Backrooms(原題)』は、週末興収731万ドルで、前週比36.5%減。公開4週目で北米累計1億7519万ドル、世界累計は3億ドルの大台を突破し、A24史上最高のヒット記録を更新中だ。第5位『最終絶叫計画 令和!』も世界興収2億ドルを突破しており、ファミリー向けの大作アニメーションが公開されても揺るがない支持の強さが感じられる。

『Backrooms(原題)』©2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.

 そのほか今週は、NEON配給のオーストラリア発ホラー映画『Leviticus(原題)』が第8位に初登場。北米1076館で週末興収274万ドルを記録した。性的指向や性自認を変えようとする「コンバージョンセラピー」で出会った10代の少年ふたりを描いたクィアホラーで、監督·脚本は長編デビューとなるエイドリアン・キアレッラが務めた。

 注目すべきは観客の約8割を18歳~34歳の若年層が占めていることで、これは『オブセッション 災愛』と『Backrooms』にも重なる共通点だ。Rotten Tomatoesでは批評家93%·観客82%という高評価を受けており、やはり“新しいホラー”を待望する空気を感じる。日本公開は未定。

 また第9位には、ヒュー・ジャックマン主演&A24配給『The Death of Robin Hood(原題)』が同じく初登場でランクイン。ジョディ・カマー&ビル・スカルスガルド共演、人気ゲーム『DEATH STRANDING』の映画化にも起用された鬼才マイケル・サルノスキ監督という顔ぶれが揃ったが、北米1762館で週末興収は262万ドルと初動成績は厳しい。

 本作は、義賊ロビン・フッドの英雄伝説を、晩年のロビンが自らの罪や暴力と対峙するというダークな新解釈で描いた。ただしRotten Tomatoesでは批評家70%・観客67%、CinemaScoreは「C+」評価と賛否が分かれており、今後の興行にも懸念が残る。こちらも日本公開は未定。

 『トイ・ストーリー5』の大ヒットを受け、北米市場の週末累計興収は今年最高の約2億3760万ドル。サマーシーズン累計は18億5000万ドルに達し、コロナ禍以前の2019年同期比で1.1%減まで回復、昨年比16%増となった。今後もDC映画『スーパーガール』や、人気アニメーション最新作『ミニオンズ&モンスターズ』、クリストファー・ノーラン監督『オデュッセイア』、マーベル最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』などの話題作が続々と登場する。

北米映画興行ランキング(6月19日~6月21日)

1.『トイ・ストーリー5』(初登場)
1億6000万ドル/4425館/累計1億6000万ドル/1週/ディズニー

2.『ディスクロージャー・デイ』(↓前週1位)
1700万ドル(-61.8%)/3824館/累計7828万ドル/2週/ユニバーサル

3.『オブセッション 災愛』(↓前週2位)
1420万ドル(-25.3%)/3053館(-15館)/累計2億1583万ドル/6週/Focus Features

4.『Backrooms(原題)』(→前週4位)
731万ドル(-36.5%)/2851館(-553館)/累計1億7519万ドル/4週/A24

5.『最終絶叫計画 令和!』(↓前週3位)
670万ドル(-52.8%)/2725館(-779館)/累計9756万ドル/3週/パラマウント

6.『マスターズ・オブ・ユニバース』(↓前週5位)
559万ドル(-37.3%)/2517館(-1160館)/累計5691万ドル/3週/Amazon・MGM

7.『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(↓前週6位)
390万ドル(-18.8%)/2000館(-680館)/累計1億7176万ドル/5週/ディズニー

8.『Leviticus(原題)』(初登場)
274万ドル/1076館/累計274万ドル/1週/NEON

9.『The Death of Robin Hood(原題)』(初登場)
262万ドル/1762館/累計262万ドル/1週/A24

10.『Michael/マイケル』(↓前週7位)
218万ドル(-48.2%)/1434館(-822館)/累計3億6791万ドル/9週/ライオンズゲート

(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2026年6月22日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2026W25/
https://variety.com/2026/film/box-office/toy-story-5-box-office-opening-weekend-record-franchise-1236786574/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/toy-story-5-box-office-opening-1236626614/
https://deadline.com/2026/06/box-office-toy-story-5-1236962629/

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