『タツキ先生は甘すぎる!』町田啓太は父親失格だったのか? 山岸想の「許せない」が刺さる
だが、蒼空は自分の知らない父親の一面に驚きつつも、「全然そんなやつじゃない」といい、タツキ本人にも「ホントはひどいくせにいい奴ぶって。嘘ついてんじゃねーよ!」と掴みかかる。それはどこかタツキはひどい人間だと自分に言い聞かせているようだった。三雲にタツキに対してどんな気持ちかと聞かれ、「許せない」と答えた蒼空。それはてっきり、自分が一番辛かった時、タツキがさらに追い詰めるような行動を取ったことに対してだと思っていた。しかし、もしかしたら蒼空はそれ以前からタツキに対して思うところがあったのかもしれない。
蒼空が好きなことや興味を持っていることを聞かれても何も答えられず、三雲のアドバイスで優と思い出の品を通じて思いを共有する“シェアリング”をやった時も家族のイベント事をことごとく忘れていたタツキ。かつては仕事が忙しく、蒼空のことはほとんど優に任せっきりだった。
ゆえに蒼空は寂しく、中学受験をやりたいと言い出したのも、タツキに自分を見てほしかったからではないだろうか。勉強を頑張れば、タツキに褒めてもらえるから。でも中学に上がってから、だんだん周りについていけなくなり、カンニングを起こしてタツキに「何、バカなことやってんだよ」と責められた。学校に行けず、部屋に閉じこもった時もまずは寄り添って話を聞いてほしかったのに、責められ、否定され、蒼空は深く傷ついたのだろう。挙句にいつの間にかタツキはいなくなり、別の子どもたちと楽しそうに過ごしていた。
本当はタツキに自分を見てほしいし、認めてほしい。でも、その欲求が満たされないから、蒼空はタツキがひどい人間だと思い込むことで必死に心を守ろうとしているように思える。一方で、タツキに会いたいと言われて了承し、三雲に半ば強引に連れて行かれたとはいえ、タツキがいる「ユカナイ」に顔を出したのは、まだ彼の中で一縷の望みが残っている証拠とも言える。タツキはもう一度、信じるに値する父親なのか、そうではないのか。蒼空に「本当はどっちなんだよ」と聞かれたタツキは、果たしてどう答えるだろう。蒼空の孤独が少しでも和らぎ、再び家族の心が一つになることを願わずにはいられない。
■放送情報
『タツキ先生は甘すぎる!』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:町田啓太、松本穂香、藤本美貴、寺田心、三遊亭好楽、比嘉愛未、江口洋介
脚本:徳尾浩司
演出:鈴木勇馬、松下敏也、苗代祐史
音楽:得田真裕
主題歌:福山雅治「拍手喝采」(アミューズ/Polydor Records)
フリースクール監修:石井しこう
アートセラピー監修:浜端望美
企画協力:前田志門
プロデューサー:岩崎秀紀、秋元孝之、大護彰子
チーフプロデューサー:荻野哲弘
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
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