『タツキ先生は甘すぎる!』町田啓太は父親失格だったのか? 山岸想の「許せない」が刺さる

 町田啓太が主演を務める『タツキ先生は甘すぎる!』(日本テレビ系)の放送もあとわずか。これまではフリースクール「ユカナイ」の子どもたちと、その家族に寄り添ってきたタツキ(町田啓太)だが、残り2話では自分自身の問題と向き合うことになる。学校に行けなくなって以来、家に引きこもっている息子・蒼空(山岸想)との関係修復だ。

 最終回直前となる第9話では、「ユカナイ」を訪れた蒼空がタツキへの気持ちを爆発させた。

 タツキのスマホに元妻の優(比嘉愛未)から届いたSOS。タツキが急いで駆けつけると、優が逃げ込んだ部屋のドアを蹴り、暴れる蒼空の姿があった。蒼空は制止しようとするタツキを突き飛ばし、再び自室へと戻っていく。部屋の中で怯えていた優の手には大きなアザが。優によると、蒼空は飛び降りをした後ぐらいから、次第に手を上げるようになったという。

 今回のように、引きこもりから家庭内暴力へと発展するケースは決して少なくない。「このままでもいいのだろうか」「二度と社会復帰できないかもしれない」といった将来への不安や焦燥感、絶望感が、最も身近な家族への暴力という形で現れるのだ。

 ここまでくると、もはや家族だけで対処できる問題ではなく、第三者の介入が必要。タツキから連絡を受けた三雲(江口洋介)はしずく(松本穂香)と一緒に駆けつけ、まずは優を「ユカナイ」に避難させる。蒼空に対しては刺激せず、部屋の外から優しく語りかける一方で、どんな理由があっても暴力は許されないこと、暴力をやめない限りは優が家に戻ってこれないことを淡々と伝えた。

 さすがは心理学のプロであり、安心感が桁違いだ。江口洋介の物腰柔らかくも、どっしりと構えたベテランの風格、安定した芝居に依るところも大きいだろう。蒼空も三雲を敵ではないと判断しつつ、第三者に諭されたことで少し冷静になれたのではないだろうか。しばらくして部屋から出てきた蒼空に、三雲は嫌になったらすぐ帰るという条件で「ユカナイ」に行っていってみないかと誘う。

 「ユカナイ」に来てからの蒼空は何をするでも何を話すでもなく、他の子どもたちから話しかけられても黙ったままだった。一方、子どもたちはタツキの様子がいつもと違うことを察し、どうにか元気づけようとする。特にタツキを気にかけていたのが、中3の智紀(大倉琉人)だ。以前、タツキから不登校になった息子を部屋から無理やり引きずり出そうとし、自殺未遂にまで追い込んでしまったことを聞かされていた智紀は、蒼空がその息子であることに気づく。さらにはタツキに「しょうがねえ、俺が一肌脱いでやるか」といい、蒼空をさりげなくゲームに誘うのだった。

 智紀は蒼空と年が近い上に、前提の背景は違えど、長い間部屋に引きこもっていた時期がある。またいじめを受けていたときに大人が誰も助けてくれなかった経験から、タツキのことも最初は信用しようとしなかった。ゆえに蒼空の気持ちが分かる部分も大きいのだろう。一方で、智紀はタツキに助けられた。屋上からの飛び降りを図った智紀を助けようとして、自らが怪我をしたタツキ。智紀はもう二度と同じ過ちは繰り返さないと誓ったタツキの覚悟を、蒼空に知ってほしかったのだ。

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