『劇場版モノノ怪』山本幸治がプロデューサー業の引退を発表 声優の再起用について謝罪

 アニメ映画『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』のプロデューサー・山本幸治が、6月5日に自身のX(旧Twitter)にてプロデューサー業を引退することを発表した。2022年に一部週刊誌で不倫報道があったことを理由に同シリーズから降板していた声優・櫻井孝宏(離の薬売り役)を、事前告知なく今作で再起用したことがSNSにて物議となっており、その責任を取るかたちで謝罪声明を出した。

 『劇場版モノノ怪』は、2000年代にテレビ放送されて以降、根強いファンを持つ『モノノ怪』の完全新作劇場版三部作シリーズ。謎の男・薬売りが、人の情念や怨念が取り憑いたモノノ怪によって引き起こされる怪異を鎮めるため、諸国を巡る物語だ。

 三部作シリーズは作中舞台が大奥であることを踏まえて、不倫報道のあった櫻井の起用を差し控える声明が、2023年2月に作品公式X(旧Twitter)よりなされていた。

 一方で『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』の終盤で、櫻井演じる離の薬売りが登場したことで、SNS上で物議を醸している。SNSでは、「作品性の観点」からキャスト変更をおこなったにもかかわらず、事前の告知なく櫻井が再起用された点、また本作公開後3日間は「SNSでのネタバレ禁止」を作品公式X(旧Twitter)が自ら呼びかけており、櫻井の出演を周知させる機会が損なわれていた点に対して非難の声が上がっていた。

 また、劇場版シリーズ第1作『劇場版モノノ怪 唐傘』製作の際には、同作制作資金のためのクラウドファンディングが実施。キャスト変更が同クラウドファンディングの後でなされたために、出資者のうち希望者には返金対応が取られていた。SNSでの批判コメントには、これらの施策と櫻井の再起用との矛盾を指摘する点もみられる。

 一方で、過去のTVシリーズファンを中心に、櫻井の出演を好意的に受け止める声も多数あがっている。櫻井が演じる離の薬売りは作中で屈指の人気キャラクターであることから、今回の演出に喜びのコメントを投稿するファンが多くみられる。

 しかし前述したような非難の声も多数あがっていることから、ファン同士の論争にまで発展しており、一連の事態を受けて山本は演出の経緯説明の文書を発表した。

 櫻井の降板の経緯について「降板の原因となる一連の騒動によって、スタッフ内からもこのままでは作品制作が継続できないという声が上がり」、「作品を楽しんでいただく環境が崩れてしまった」と改めて説明した。

 再起用の理由については「どこかで離の薬売りの声を求めるお客さんの声に応えたいと考えていた」と明かし、登場の仕方については「劇場版の主人公はあくまで坤の薬売りであり、離の薬売りは坤の薬売りの応援要請に応えて登場する存在」としている。

 非難の対象となっていた「ネタバレ禁止」施策に伴う情報の公開方法については、「結果的にこの施策が、離の薬売りの登場を望まない方々に対して、鑑賞するか、鑑賞をしないかを選択する機会を損ねる結果となりました。想定の甘さを痛感し、大変申し訳なく思っております」と謝罪した。

 また、「離の薬売りの登場について、神谷様(編集部注:劇場版シリーズで坤の薬売りを演じた神谷浩史)に判断を委ねたように伝わっている部分を訂正させていただきます」として、SNS上で広がっている櫻井の出演決定に伴う責任の所在についても説明した。

 あわせて山本はプロデューサー業の引退を発表。「時代感覚、顧客感覚との乖離を感じることが増え、それによるチームへの影響、グループスタジオ、作品への影響などを考えてのことです。今後は経営と後進の育成、業界のゲームチェンジに挑むつもりです」と声明を出した。

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