『SAKAMOTO DAYS』実写版の次回作はありえる? 原作からの“映像化”をアニメ版と比較

今後の展開は?

 そこで気になるのが、TVアニメの第1期で辿り着いたJCC潜入編以降、原作は日常でのギャップからくるドタバタがなりを潜めて、バトルに次ぐバトルといったシリアスでハードな展開がひたすら続くことになることだ。坂本がメインである点は変わりがないが、その周りに集まってきた味方や敵の殺し屋たちが、それぞれに能力を振りながら戦っていくという、尾田栄一郎の『ONE PIECE』でも久保帯人の『BLEACH』でも吾峠呼世晴の『鬼滅の刃』でも見た光景が繰り広げられる。

 『週刊少年ジャンプ』の2026年第2号で『SLAM DUNK』の井上雄彦と対談した鈴木祐斗は、連載当初は「自分が描きたい漫画」が分からなかったことを明かしている。「5、6巻あたりになって、描きたい漫画を改めて考えたときに『ヒリヒリしたアクションを描きたい!』って思い始めてから、少しずつ安定してきたかなという感じです」。言葉どおりにそのあたりから、ヒリヒリとした展開が続くようになって現在に至る。

 太っているのに強いという”出オチ“に近いサプライズはすぐに通用しなくなる。そこで、日常と非日常のギャップで笑わせる方向ではなく、坂本太郎という家族のために殺し屋を辞めた男の葛藤と決断を中心に据えつつ、大勢の殺し屋たちがそれぞれに抱く思いと持てる力をぶつけ合う群像劇へと進めていった。そうした原作を、今後も2時間という映画の中で描いていくことは容易ではない。

 そこに福田雄一監督はどう挑むのか。そもそも挑む予定はあるのか。気になるところだが、ひとついえるのは、原作がバトルに次ぐバトルでも、福田監督の映画なら息つく暇もないということには絶対にならないということだ。鹿島と坂本のバトルで挟み込まれたコミカルなやりとりなり、ムロツヨシによるピザ屋を装った殺し屋なり佐藤二朗による帰還兵風の殺し屋といったコメディリリーフによる脱力ポイントを、しっかり作ってくれるだろう。

 そうしたシーンへの期待を抱きつつ、どんどんと増えていく殺し屋たちを巧妙なキャスティングで実写の中に受肉させる腕が、篁という殺し屋でどこまで発揮されるかが、今はとりあえず気になって仕方ない。

■公開情報
『SAKAMOTO DAYS』
全国公開中
出演:目黒蓮、高橋文哉、上戸彩、横田真悠、戸塚純貴、塩野瑛久、渡邊圭祐、北村匠海、八木勇征、生見愛瑠、小手伸也、桜井日奈子、安西慎太郎、加藤浩次、津田健次郎、志尊淳
原作:鈴木祐斗『SAKAMOTO DAYS』(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
脚本・監督:福田雄一
主題歌:Snow Man「BANG!!」(MENT RECORDING)
製作幹事:エイベックス・ピクチャーズ
制作プロダクション: CREDEUS
配給:東宝
©︎鈴木祐斗/集英社 ©︎2026 映画「SAKAMOTO DAYS」製作委員会
公式サイト:skmtdays-movie.jp
公式X(旧Twitter):@skmtdays_movie
公式Instagram:@skmtdays_movie
公式TikTok:@skmtdays_movie

関連記事