黒木華の長台詞が“きれいごと”にならない理由 『銀河の一票』が描く嘘のない政治への渇望

ポピュリズムに抗う、一対一の「美しい対話」

 2024年の都知事選以降、ポピュリズム選挙が盛り上がり、選挙があるたびに国民が熱狂し投票率も上昇している。政治に対する関心が高まっているという意味では良いことかもしれないが、一方でどんどん心が疲弊していると感じるのはなぜか。それは、政治家の発する言葉のほとんどが上辺だけのテクニックによって構成されており、その瞬間だけ国民を気持ち良くして、自分たちの養分にすることしか考えていないことが丸見えだからだろう。

 政治家だけではない。SNSや投稿動画サイトでも、不特定多数に向けたその場限りの心地よい言葉を発することで「高評価」を稼ごうとする者たちで溢れており、こういった上辺だけの言葉に触れていると、どんどん気力が奪われていく。

 今後、都知事選で茉莉とあかりのライバルとなりそうな日山流星は、まさにその象徴と言える存在で、軽薄な語り口が骨の髄まで染み込んでいる。

 茉莉の言葉に強い力を感じるのは、テクニックを超えた部分で自分の思いをあかりに伝えようとしているからであり、その言葉をあかりが茶化さずに真正面から受け止めようとしているからだ。

 2人のやりとりはとても美しく、人と人が真剣に相手と向き合って対話をすることの心地よさが描かれており、2人の関係自体が大きなメッセージだと感じる。

 この美しい対話は、茉莉とあかりの「一対一の関係」だからこそ現在は成立している。だが、これから先、選挙という大勢の人々に一人の人間が語りかける場面になった時にも、同じように成立するのだろうか。彼女たちの言葉が国民にちゃんと届くのか、最後まで見守りたい。

■放送情報
『銀河の一票』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~放送
出演:黒木華、野呂佳代、三浦透子、渡邊圭祐、倉悠貴、小雪、本上まなみ、シシド・カフカ、岩谷健司、山口馬木也、木野花、岩松了、坂東彌十郎、松下洸平ほか
脚本:蛭田直美
演出:松本佳奈、藤澤浩和、瀧悠輔、稲留武
プロデュース:佐野亜裕美(カンテレ)
制作プロデュース:植木さくら、森田美桜
音楽:坂東祐大
主題歌:浜野謙太(在日ファンク)&後藤真希 feat. 黒木華&野呂佳代「おーへい」(日本コロムビア)
制作協力:AOI Pro.
制作著作:カンテレ、MYRIAGON STUDIO
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/ginganoippyou/
公式X(旧Twitter):https://x.com/gingaippyou
公式Instagram:https://www.instagram.com/gingaippyou/
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