高良健吾×原田琥之佑『手塚治虫の戦争』8月放送 脚本は『舞いあがれ!』桑原亮子が担当

 手塚治虫の創作の原点を描く特集ドラマ『手塚治虫の戦争』が8月にNHKで放送されることが決定し、5月7日に兵庫県・宝塚市立手塚治虫記念館にて主演の高良健吾、共演の原田琥之佑らが登壇する制作発表取材会が開催された。

 本作は、手塚治虫の短編漫画『紙の砦』と『ゴッドファーザーの息子』を原作に、時代を越えて重なり合う二人の物語を描く人間ドラマ。1973年の東京で、自社「虫プロ」の倒産や連載打ち切りというどん底の中で自身の戦争体験を漫画にしようとする手塚治虫と、1945年の大阪で「非国民」と蔑まれながらも漫画を描くことに生を見出した手塚の分身・大寒鉄郎の姿が交錯する。

 手塚治虫役を演じる高良は、不遇の時代の手塚について「その苦しみを乗り越える原動力もまた、自分が愛する漫画への信念や、闘争心だと思う」と分析し、「皆さんが知らない手塚治虫先生の一面を描けたら」と意気込みを語った。一方、鉄郎役を演じる原田は、自身の役柄について「『描きたいから描く』という、理由のない衝動的な漫画欲があり、漫画家にとって大切なハングリー精神をもっているところがとても魅力的」とコメント。手塚独特のペンの持ち方を練習するなど、役作りに励んでいることを明かした。

 脚本は、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』などを手がけた桑原亮子が担当。桑原は「イメージの奥の、生身の人間・手塚治虫を追いかけます」と本作の狙いを述べている。

コメント

高良健吾(手塚治虫役)

このドラマでは、手塚治虫先生の「虫プロ」が倒産する、不遇の時代も描かれます。その時代の手塚さんの苦しみは、愛するものを突き詰めるがゆえに生まれてくる苦しみで、その苦しみを乗り越える原動力もまた、自分が愛する漫画への信念や、闘争心だと思うんです。それを僕はドラマの中で演じ切りたいですし、皆さんが知らない手塚治虫先生の一面を描けたらと思っています。手塚先生は「漫画の神様」や「天才」と言われていますが、その言葉でまとめてはいけないのではないか、と思うんです。何かと闘う心、常に自分に向いている戦い方に尋常じゃない強さがあって、手塚先生は手塚治虫先生以外に、誰にも真似できないことをやり続けてきた方なんだと思います。

原田琥之佑(大寒鉄郎役)

鉄郎はまわりの空気を無理に読もうとしないし、人にこびることのない男子中学生です。でもなぜか人から好かれて、周囲に人が集まる人です。「描きたいから描く」という、理由のない衝動的な漫画欲があり、「ただ自分が満足するために漫画を描く、描いても描いても描き足りない」という、漫画家にとって大切なハングリー精神をもっているところがとても魅力的です。漫画を描くシーンもあるのですが、手塚先生のペンの持ち方は独特だったそうなので、そのペンの持ち方で絵を描く練習をしたり、手塚先生から生まれるキャラクターは丸から出来ているキャラクターが多いので、丸をたくさん描いています。僕は三年前に出演した特集ドラマで、自分が表現したかったことがあまり表現できず悔しい思いをしたので、このドラマで少しでもリベンジできたらなと思っています。

桑原亮子(作)

ベレー帽をかぶってニコニコしている「漫画の神様」というイメージの奥の、生身の人間・手塚治虫を追いかけます。人知れず悩み、苦しみながら、それでも生涯をかけて漫画で子どもたちを楽しませたいと願った人。その彼が、自身の戦争体験を元に凄絶な漫画を描きました。そこに込められた、時を超えたメッセージを感じ取っていただけると幸いです。

鈴木航(企画・演出)

戦争の中でも漫画を描くことを手放さない少年の姿は、決して遠い時代の話ではなく、巨大な暴力の中で私たち一人一人がどうやって正気を保つのか、心に”砦”を築くのかという問いを突きつけてきます。手塚治虫さんが漫画家人生の苦境の時期に、あえてこの特別な作品を描いたことにも、私は強い意思を感じます。このドラマは『紙の砦』の執筆に挑む手塚治虫さんの姿と、戦時中の少年少女たちの物語を通じて、描き残したメッセージに迫ります。

田島彰洋(プロデューサー)

手塚治虫先生が、少年時代に大阪で空襲に遭い、その光景を「これは漫画だと思った」と語った言葉に、私は強い衝撃を受けました。現実があまりにも過酷なとき、人はそれを物語として受け止めるしかないのかもしれません。子どもたちが大人になったとき、自らの意思で戦争を拒むことができるように。その思いを胸に、手塚先生は漫画を通して戦争と向き合い続けました。このドラマが多くの方に届き、戦争が奪ってしまうかけがえのない日常の尊さに、少しでも思いを巡らせるきっかけとなれば幸いです。

■放送情報
特集ドラマ『手塚治虫の戦争』
NHKにて、8月放送予定
出演:高良健吾、原田琥之佑
原作:手塚治虫『紙の砦』『ゴッドファーザーの息子』
作:桑原亮子
制作統括:福岡利武
プロデューサー:田島彰洋
演出:鈴木航
制作:NHK大阪放送局

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