黒崎煌代、加藤小夏らが放つ“大ブレイク”前の輝き 2026年春ドラマ、若手俳優4選

 “若手”と呼べる俳優たちがひしめき合う状態はここ何年も続いているが、群雄割拠のあまり、その層自体がかなり広いものになりつつある。それこそ『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系)で月9ドラマ初主演を務めている北村匠海だったり、『10回切って倒れない木はない』(日本テレビ系)の志尊淳だったり、若手といえば若手だが代表作も実績も充分にあり、まだ“中堅”と呼ぶにはフレッシュ感が残るタイプの俳優が非常に多く。そういった意味でもこの若手俳優界隈は、非常に熾烈を極めているといえよう。

黒崎煌代

『サバ缶、宇宙へ行く』©フジテレビ

 とはいえ4月期ドラマで注目すべき若手俳優をピックアップするとなれば、可能な限りまだブレイク前の、今後どう伸びていくのか、どう化けるのか、こちらの想像をはるかに超えてきそうな「未知数」な俳優から選択してみたい。となると、まず一番手に挙がるのは『サバ缶、宇宙へ行く』で“一期生”の生徒の一人、寺尾創亮役を演じている黒崎煌代をおいて他にはいないだろう。

 表情や所作、セリフの発声、総じてどこか朴訥とした雰囲気を携え、現代の若者らしい危うさを感じさせながらも目だけは異質なほど強い。この二面性の調和によって、まるで昭和の銀幕スターのような独特の風格を放つ。主演を務めた映画『見はらし世代』でその存在を認識した時は、さすがに驚かずにはいられなかった。現在Netflixで配信中の『九条の大罪』でも、悪友がもたらす負の連鎖を断ち切れずにもがく青年を演じ、見事に第2話と第3話を独り占めしている。

 そんな黒崎、『サバ缶、宇宙へ行く』においては地元の漁師の息子で、卒業後は親の後を継ぐと決めている生徒役だ。朝から家業の手伝いをしているため授業中は寝てばかりだったが、北村演じる朝野との出会いで徐々に変わりはじめ、彼のつぶやいた一言が物語の要点である“宇宙食づくり”のきっかけとなる、いわばキーパーソンと呼べる存在である。先日放送された第3話で一期生たちは水産高校から卒業したが、彼の演じる寺尾は地元に残る。きっとこの先のエピソードでも重要な働きをしてくれるに違いない。

 ところでこの『サバ缶』には、期をまたぐようにして複数の生徒役キャストが登場する。一期生では黒崎以外にも、活躍目覚ましい出口夏希や『アルプススタンドのはしの方』の西本まりんらがおり、第4話から登場する二期生には『違国日記』の早瀬憩やWOWOWドラマ『ストロボ・エッジ』での好演も記憶に新しい中川翼が。元来、若手俳優の宝庫ともいえる学園ドラマとしてジャンル分けできる同作。若手俳優を見る上でも非常に興味深い作品となりそうだ。

寺田心

『タツキ先生は甘すぎる!』©日本テレビ

 またここ最近、小中学生にフィーチャーしたドラマがいっときより増えつつある。この4月期でいえば、フリースクールを舞台にした『タツキ先生は甘すぎる!』(日本テレビ系)がそれに当たる。おそらくここに出演している子役キャストのなかからいずれ大成する者も出てきておかしくはないが、現時点では平均点が高い反面、まだ抜けた存在はいない印象だ。しかしながら、そんな子どもたちを見守る大学生ボランティアの皆藤壮哉役として寺田心が配されているのは興味深い。

 寺田が子役としてブレイクしたのはもう10年前。5年前に公開された『妖怪大戦争 ガーディアンズ』の時にはまだあどけなさの残る子役俳優だった彼が、もう17歳まで成長しており、すっかり青年の仲間入りを果たしている。しかもたくさんの子役たちが登場するドラマにおいて“大人側”の人間を演じているとは。すでに子役時代のパブリックイメージを拭いつつある彼が、今後は若手俳優の一人としてどんな役を演じてくれるのか楽しみでならない。

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