『ちょっとだけエスパー』笑いと愛情満載の特典映像 大ボリュームのブックレットも必読
『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日系)のBlu-ray&DVD BOXが6月3日に発売される。2025年10月から12月にかけて放送された本作は、主演・大泉洋×脚本・野木亜紀子という最強のタッグでも話題を呼んだが、オンエア後はその期待値をさらに上回る形で、視聴者を魅了した。
ストーリーを“ちょっとだけ”おさらい
始まりは、実にシビアだった。主人公の文太(大泉洋)は、いわゆる“人生が詰んだ”サラリーマン。会社を追われ、家族と別れ、その足は今にも屋上から飛び降りそうな状態にあった。そんな彼のもとに届いたのが、見知らぬ会社「ノナマーレ」からの採用面接の案内。足を運んでみると、社長の兆(岡田将生)から一粒のカプセルを飲む課題が与えられる。勢いよくカプセルを飲み切った文太に待っていたのは「合格」という言葉と、「あなたは今日からエスパーです」という、にわかには信じがたい言葉だった。
文太に備わった能力は、触れた相手の心の声が“ちょっとだけ”聞こえるというもの。そして、見知らぬ女性・四季(宮﨑あおい)と仮初の夫婦を演じることをはじめ、奇妙なミッションが次々と指示される。取るに足らないと思えたミッションの数々が、実は「世界を救う」ものだと告げられたり、自分のことを本当の夫だと信じ込んでいる四季を「愛してはいけない」と言い渡されたりと戸惑うことばかり。それでも、サラリーマンらしく一つひとつのミッションに全力で向き合っていく文太。
なでると花を咲かせる能力を持つ桜介(ディーン・フジオカ)、少しだけ動物と会話ができる半蔵(宇野祥平)、念じるとほんのり温められる円寂(高畑淳子)といった、“ちょっとだけ”エスパーな仲間たちの存在も次第に心強く感じられていく。そして、四季との生活がかけがえのない日々に思えるようになったころ、兆の本当の狙いが明らかになって……。
“ちょっと”にとどまらない笑いと愛情が詰まった特典映像たち
本作の見どころはやはり、座長である大泉が中心となって生み出す笑いの数々だ。社会派で知られる野木脚本のもう一つの魅力は、コミカルな掛け合い。そもそもエスパーたちの「どうやって使うの?」と言いたくなるような能力もまた、おかしみを生む要素のひとつ。そんな本作を取り巻く笑いを余すところなく味わえるという点でも、Blu-ray&DVD BOXは手に入れて損のない一作だ。
ダイレクトに味わえるのは、特典映像の「ちょっとだけメイキング&ハプニング」「とこしえに残したい刹那の未公開シーン集」。再生するやいなや、本番にもかかわらず笑わせる大泉の姿が次々と映し出される。なかでも、ターゲットになったのが兆を演じる岡田将生だ。四季を巡って複雑な感情が入り混じる兆と文太という役柄の関係性からか、それとも岡田を大泉がかわいがりたくてしかたないのか、はたまたその両方か。とにかく、大泉は隙あらば岡田のペースを崩そうとカメラに映らないところでも、笑わせにいくのだ。
福山雅治の声真似でセリフを言ってみたり、カメラの向こうで変顔をしてみたり、岡田のモノマネだといってアゴを突き出して見せたり。さすがに岡田も「おかしいでしょう!」「アゴ出てないから!」とツッコまずにはいられない。他のキャストからも「もー!」「サイテー!」といったリアクションも飛び交う。きっと、そんな他愛もないやり取りがちょっとずつ積み重なることで、明るくて楽しい現場が作られていくのだろう。それこそ、大泉洋による“ちょっとだけ”エスパーとも言える能力だ。
キャストたちがクランクアップを迎えたときの挨拶では、再会を強く求める声がいくつも聞こえてきた。ドラマの制作現場は一期一会。どれほど親しくなっても1クールで一段落ついてしまうもの。それをわかっているプロの俳優陣たちが、これほど「また会えるように精進します」「また会いましょう」と口にするのも、彼らにとってどれほどこの現場が愛しいものだったのかを伺わせる。