『平場の月』大人のラブストーリーが心に響く 舞台裏を知ることができる貴重な特典を解説
映画『平場の月』のBlu-ray&DVDが4月24日に発売される。堺雅人が主演を務めた本作は、大人の恋を描いた珠玉のラブストーリーだ。
地元に戻ってきた男女が再会し、距離を縮める中で互いの人生を重ねていく。月を眺めていた彼女には言えない秘密があって……。人生の折り返し地点を過ぎ、生と死を見つめた今作は、観る者に深い余韻を残す恋愛映画の名作となった。
豪華版には、映像特典としてメイキング&インタビュー、主人公・青砥健将役の堺雅人、須藤葉子役の井川遥と原作者である朝倉かすみの特別鼎談などが収録され、その他に今作の台本も封入される。すでに本編をご覧になった方にとって、映画の舞台裏を知ることができる貴重な資料となっている。
今作の舞台となったのは埼玉県朝霞市。荒川水系の大小の河川が流れ、都心へ通う人々が暮らすベッドタウンだ。実際の撮影も、朝霞市のほかに周辺の志木市や新座市などで行われた。メイキングには現地ロケの様子も収録。冬場の撮影では、早朝からスタッフが準備し、キャストもコンディションを整えて臨んだ。市内を自転車で走る堺と井川の姿や現地の印刷所を借りての撮影、中学時代の二人を演じた坂元愛登と一色香澄のショットも収められている。
今作を象徴するのが月のシーンだ。特に印象的なのは、須藤が暮らす川沿いのアパート。「大ヒット御礼舞台挨拶」で、土井裕泰監督は「月を見ている須藤を青砥が橋の上から見て、朝帰っていく青砥を須藤が見ています」とこだわりを明かした。
ゆったりとした時間が流れる本作は、時系列的な仕掛けが施されている。原作は、青砥の現在から始まり、過去にさかのぼって青砥と須藤の歩みを描いていく。撮影は、過去パートを最初に撮ってから堺と井川につなぐ形で、作品の時系列を追って進行。その上で、映画オリジナルの演出が加えられた。
映画版のエンディングは、15歳の二人のシーンで終わる。原作では現在の青砥に着地するのだが、オープンエンドな構造について、堺は舞台挨拶で「円が閉じない状態で終わる。もう一つの世界でマジックが続いている感じ」と言い、「脚本と構成のすごいところ」と絶賛した。