興収で読む北米映画トレンド

『ザ・マミー』北米No.3発進 『マリオ』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が春を制する

 春のヒット作2本の勢いが止まらない。4月17日~19日の北米週末映画ランキングは、公開3週目の『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』がNo.1、公開5週目の『プロジェクト・ヘイル・メアリー』がNo.2を引き続き死守。新作『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』は第3位での発進となった。

 第1位『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』は週末興収3500万ドル、前週比マイナス48.6%と堅調な興行をキープ。北米累計は3億5524万ドルと、2026年の北米興収No.1に輝いている。世界累計興収は7億4747万ドルと、今週末4月24日の日本公開を控えて、いよいよ10億ドルの大台超えも見えてきた。

『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』©2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.

 前作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023年)を含むシリーズ累計興収は20億ドルを突破。任天堂とユニバーサル&イルミネーションが次の一手に出ることは間違いないだろう。

 第2位、ライアン・ゴズリング主演『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は週末興収2045万ドル、前週比マイナスわずか15.3%という驚くべきホールド力。北米累計は2億8509万ドルで、『デューン 砂の惑星PART2』(2024年)を上回る大ヒットとなった。IMAX上映の再開や、70mmフィルム上映の需要も大きく、作品のポテンシャルがきちんと花開いた形だ。世界累計興収は5億7309万ドル、果たしてどこまで数字を伸ばせるか。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

 このように、世界的人気IPと非フランチャイズ作品のSFヒット作が観客の興味をがっちりとつかんでいる中、新作が辛酸をなめるのはやむをえないことだろう。

 第3位に初登場したのは、ジェームズ・ワン&ジェイソン・ブラム製作のホラー映画『THE MUMMY/ザ・マミー 棺の中の少女』。北米3304館で週末興収1351万ドル、また海外市場で2050万ドルという好調ぶりで、世界興収は3401万ドルとなった。

 本作は“ミイラの呪い”を題材に、エジプトの因習や伝説に紐づく謎と恐怖が交錯するミステリーホラー。8年前、最愛の娘がカイロで失踪した家族のもとに「娘が見つかった」との連絡が入る。ところが、娘は3000年前の石棺に閉じ込められたまま8年間を過ごし、生きたミイラのような存在へと変貌していた……。

 監督・脚本は『死霊のはらわた ライジング』(2023年)で人気シリーズを復活に導いたリー・クローニン、配給はワーナー・ブラザース。古典的ホラー映画の再創造である本作は、原題は『Lee Cronin's the Mummy』としてクローニンの名前を冠することで作家性を強調しつつ、同じ原題をもつブレンダン・フレイザー主演『ハムナプトラ』シリーズとの差別化を図った。

 Rotten Tomatoesでは批評家スコア46%に対し、観客スコアは76%と高め。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは「C+」となったが、賛否両論となりがちなホラージャンルにおいては必ずしも低評価ではない。根強いホラーファンを中心に口コミがじわじわと広がることもありうる。

 今年の春は『ザ・ブライド!』や『ゼイ・ウィル・キル・ユー』、『Ready or Not 2(原題)』などホラー作品が苦戦してきたが、『ザ・マミー』はこれら3作品を上回る滑り出し。IMAXなどのプレミアムラージフォーマット上映を『プロジェクト・ヘイル・メアリー』と分け合わざるをえなかったことを鑑みてもかなりの健闘だ。製作費も2200万ドルと低コストのため、劇場興行での黒字化も狙える。日本公開日は5月15日。

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