『天気の子』から『炎上』、そして“悪女”へ 森七菜が歩んだ10年と塗り替えられる新境地

 鈴鹿央士主演の映画『藁にもすがる獣たち』に森七菜が出演することが発表された。本作で彼女が演じるのは、夜の気配を漂わせながら、1億円争奪戦に参加する悪女の“し~な”。解禁された特報映像では、鈴鹿演じる大学生YouTuberの佐藤寛治を脅しながら、挑発するような悪い表情を浮かべている。デビュー10周年を迎えた森にとって、本作は今までにない一面を披露するチャレンジ作品となりそうだ。

映画『藁にもすがる獣たち』特報映像

 彼女の10年の軌跡を振り返れば、純粋な感性と自然体な姿を芝居に反映させながらも、キャリアを重ねるごとに演技の幅を着々と広げていることがわかる。芸能界入りしてすぐに実写版『心が叫びたがってるんだ。』(2017年)で映画初出演を果たすと、2019年に出演したドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)で脚光を浴びる。新海誠が手がけたアニメーション映画『天気の子』(2019年)では、主演ヒロイン・天野陽菜の声優に抜擢。燦々と照りつける太陽のような天真爛漫な笑顔と、透き通るような歌声も後押しとなり、自然と森のパブリックイメージが形成されていった。

『ラストレター』©2020「ラストレター」製作委員会

 俳優としても眩い輝きを放つなか、岩井俊二が監督を務めた映画『ラストレター』(2020年)では、広瀬すず演じる鮎美の従姉妹・颯香を演じる。夏休みの間をともに過ごし、等身大の悩みを抱えた2人の関係を広瀬とともに伸びやかに育んだ森は、本作で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した(本作で森は、松たか子演じる裕里の学生時代役も一人二役として演じている)。

 そんな彼女の大きな転機となったのが、是枝裕和監督が演出と脚本を務めたNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』(2023年)ではないだろうか。出口夏希とともにW主演を務めた本作では、“まかないさん”として舞妓さんの毎日の食事を作る少女・キヨを演じた。自然な佇まい、屈託のない笑顔、愛嬌たっぷりの表情など、森のキャラクターが余すことなく詰め込まれた本作は、今の彼女の根底に流れる芝居が全編にわたって映し出されている。

関連記事