“ビートルマニア”がニューヨークの街を埋め尽くし熱狂 『ビートルズがいた夏』日本版予告編

 7月4日よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開される『ビートルズがいた夏』の予告編が公開された。

 ポール・マッカートニーが「未来のノスタルジア」と呼ぶビートルズの楽曲「Things We Said Today(今日の誓い)」をタイトルに冠した本作は、ルーマニアの監督アンドレイ・ウジカが、処刑された独裁者を描いた彼の記念碑的作品『ニコラエ・チャウシェスクの自伝』以来となる長編作品として10年以上の歳月をかけ作り上げたドキュメンタリー。1966年6月29日のビートルズ初来日から60年目の記念として公開される。第81回ヴェネチア国際映画祭に正式出品され、2026年ヨーロッパ映画賞のショートリストに選出された。

 ハーレムからロングアイランドのジョーンズビーチまで、ありふれたものから魔法のようなものまで、ビートルズのコンサート開催を中心に、ニューヨークとその人々を多様な視点で描いた。100時間以上のニュース番組と 100時間の個人の8ミリフィルムから抜粋したアーカイブ素材ですべてが構成されている本作。そこに、フランスのアーティスト、ヤン・ケビによるアニメーションを重ね合わせ、主人公の詩人ジェフリー・オブライエンとヒロインのモデルとなったコンサート・ファンのジュディス・クリステンの個人的な文章、およびウジカ自身が1972年に書いた詩を用いた声を加えている。

映画『ビートルズがいた夏』予告編

 公開された予告編は、1965年8月15日、シェイ・スタジアムでいよいよビートルズのコンサートが開催される日に、友人たちと車で出かける女の子たちが、知り合い声を掛けながら走るシーンから始まる。ニューヨークの象徴でもある自由の女神、賑わう夏のビーチでは、家族が楽し気に写真を撮っている。庭で遊ぶ子供たち、サングラスを掛けた女性が歩くニューヨークの町、そこにはニューヨークで初めてビートルズの曲を流した人気DJの声が重なる。このDJは、ニューヨーク・タイムズ紙、ル・モンド紙などにイラストを提供するフランスのアーティスト、ヤン・ケビの描く主人公ジェフリーの父親である。

 「気温は20度を超えた」という爽やかな夏の午後。タイトルロゴのあと、1965年8月13日、ビートルズがTWA機のタラップから、ニューヨークに降り立つ姿を映す。ニューヨークの街では、彼らを一目見ようとするビートルマニアで溢れている。続いて「作家になろうとする17歳の少年と、蝶の化身のような少女が出会った」様子として、アニメーションで本作の主人公ジェフリーが海辺で少女の姿を描く姿が映し出される。同時にスタジアムの脇で開催されている万博では、アミューズメントを楽しむ姿が。アメリカという国の力が誇示される。

 次のシーンでは反対に西海岸で起きた暴動の様子が映され、ストリートで歌う人の姿と、遊ぶ子供たち、音楽と共に踊る人々、華やかな万博とはかけ離れた暗部が映り、最後には撮影しているカメラを手で払う映像が入る。シェイ・スタジアムの満席の観客席から、カメラのフラッシュが光る。その中にジェフリーがいる。使用されている曲は、ビートルズがカバーして一層有名になったチャック・ベリーの「ロール・オーバー・ベートーヴェン」、そして公民権運動にも積極的に関わり、1964年33歳で亡くなったサム・クックの「キューピッド」。エンディングには、キング・カーティスの独特のサックスが響いている。

■公開情報
『ビートルズがいた夏』
7月4日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開
監督・脚本:アンドレイ・ウジカ
編集・サウンドデザイン:ダナ・ブネスク
録音・ミキシング:ダナ・ブネスク、ギヨーム・ソリニャ
VFXスーパーバイザー:オルガ・アヴラモフ
ドローイングアーティスト:ヤン・ケビ
リサーチ責任者:アンナ・クーリヒ
プロデューサー:ロナルド・シャマー、アナマリア・アントチ、アンドレイ・ウジカ
エグゼクティブ・プロデューサー:ヌレディン・エッサディ、アンダ・イオネスク、エルヴェ・シャンデス、ケント・ジョーンズ、アンナ・クーリヒ
キャスト(声):トミー・マッケイブ、テレーズ・アザラ、シェア・グラント、サラ・マクラスキー
配給:オンリー・ハーツ
2023年/フランス・ルーマニア/英語・フランス語・ドイツ語/85分/1.78:1/原題:TWST: Things We Said Today/字幕:福永詩乃
©LES FILMS CAMÉLIA, MODERN ELECTRIC PICTURES, TANGAJ PRODUCTION, ARTE FRANCE CINÉMA, L’INSTITUT NATIONAL DE L’AUDIOVISUEL, 2024

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