スピルバーグ新作『ディスクロージャー・デイ』は現実とリンク? 3つの予告編から徹底考察
最新予告編の0分6秒には、「WARDEX」と刻印された巨大なゲートと星条旗が重々しく映し出される。壁一面のモニターで世界中を監視するこの謎の組織こそが、長きにわたり地球外生命体の存在を隠蔽し、未知のテクノロジーを独占してきた張本人なのだろう。
1分34秒には、「ROSWELL, NM」と書かれたカチンコが映し出される。この文字が意味するのは、UFO陰謀論の始まりである1947年のロズウェル事件だ。同年7月、米ニューメキシコ州の砂漠に謎の飛行物体が墜落。軍は当初「空飛ぶ円盤を回収した」と発表したものの、わずか数時間後に「ただの気象観測用気球だった」と撤回。この不自然すぎる対応が、今日まで続く「政府による地球外生命体の隠蔽説」の原点となっている。一瞬挿入されるモノクロのカットは、どうやらその墜落現場と回収作業の一部始終を収めた極秘記録映像であるようだ。
2分26秒には、分厚い雲の中からついに宇宙船がその姿を現す。雲を割って光とともに降臨するそのビジュアルは、『未知との遭遇』を明確になぞるものだ。過去作のオマージュともとれるこの象徴的な演出は、半世紀の時を経て、巨匠が再び人類と未知とのコンタクトを描き出そうとする決意の表れだろう。
特別映像でスピルバーグ自身は、「私は常に、説明のつかないものに魅了されてきた」と語り、「我々は孤独なのか、そうではないのか?(are we alone or are we not alone?)」と問いかける。これは、『未知との遭遇』のキャッチコピー「We are not alone」に対する、約50年越しのアンサーではないだろうか。かつて希望として掲げた言葉を、情報とパラノイアが渦巻く現代において、巨匠はあえて疑問形として我々に投げ返しているのだ。
さらに不気味なのは、本作の公開と呼応するように、現実世界でも「情報の開示」が起きようとしていることだ。バラク・オバマ元大統領がUFOの存在を暗示し、ドナルド・トランプ大統領が「エリア51」の機密解除を公言するなど、まさに現実のディスクロージャーが進行している。映画が現実を予知したのか、あるいは現実が映画に追いついたのか。フィクションと現実が交錯するこの奇妙なシンクロニシティによって、本作は単なる娯楽作の枠を超え、巨大な社会実験の様相を呈している。
「全世界に一斉に開示する」 。雷雲の中から姿を現すUFOのシルエットは、『E.T.』(1982年)の時代とは決定的に異なる、壮大なファーストコンタクトの始まりを告げている。オズの国へ足を踏み入れた人類が、どのような結末を迎えるのか。世界の前提が覆る瞬間をスクリーンで目撃する日が、今から待ち遠しくてならない!
■公開情報
『ディスクロージャー・デイ』
7月10日(金)公開
出演:エミリー・ブラント、ジョシュ・オコナー、コリン・ファース、イヴ・ヒューソン、コールマン・ドミンゴ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:デヴィッド・コープ
原案:スティーヴン・スピルバーグ
製作:クリスティ・マコスコ・クリーガー、スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮:アダム・ソムナー、クリス・ブリガム
配給:東宝東和
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