吉沢亮の凄さは圧倒的な輝きと儚さを両立できること 『ばけばけ』錦織の壮絶なご奉公
ただ、映画『国宝』では吉沢亮は、老いて人間国宝になるまで生き延びる役を演じている。まわりの者はどんどん脱落していくなかで、ひとり生き残り、高みに登るのだ。途中で亡くなる人のほうが幸福な思い出として残る。生き残った人は苦しく孤独だ。『ばけばけ』ではこれからヘブンも作家としての正念場に入る(来週はいよいよ『怪談』に着手する)。
ヘブンとトキのモデルである八雲とセツの史実では、八雲がセツより先に亡くなり、セツは『思い出の記』を書く。最後に残るのはトキである。彼女はその果てしない孤独をどうするだろう。残り2週間目が離せない。
余談だが、本が出て、その本を大事な人への愛情の賜物にするには2023年度前期の朝ドラ『らんまん』を思い出した。主人公・万太郎(神木隆之介)の妻・寿恵子(浜辺美波)の名前をつけた植物を本の最後に入れてあってじ~んっとなった記憶。
さらに余談だが、こうしてヘブンは日本人になる。日本人になると、自由に外国を行き来できなくなる。ヘブンにはデメリットだが、トキにはヘブンの財産を相続できるというメリットしかない。すっかりトキの思うままという感じもするが、異国から来たヘブンが快適に日本で暮らし、日本をテーマにした本を書くうえで、トキが大いに役立っただろうから、ウィンウィンの関係なのだろう。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK