竹内涼真&深川栄洋監督が語る真剣勝負の裏側 スマホと戦う『再会~Silent Truth~』の挑戦

 現在放送中のドラマ『再会~Silent Truth~』が、SNSを中心に熱い盛り上がりを見せている。しかし、作り手である主演の竹内涼真と深川栄洋監督の口から飛び出したのは「考察ドラマにするつもりはなかった」という意外な本音だ。物語の余白に潜む“人間の厚み”をいかに描き出し、視聴者の目をスマホや日常からテレビ画面へと釘付けにさせるのか。撮影終了直後だからこそ語れる、俳優と監督のヒリつくような真剣勝負、そして物語が加速する終盤の見どころについて聞いた。

“固定観念を壊す”深川栄洋監督の演出

ーー『再会~Silent Truth~』は毎週放送後にSNSなどで考察が盛り上がっており、TVerでの見逃し配信もテレビ朝日史上最高記録を更新しているそうですね。お二人のもとにはどんな反応が届いていますか?

深川栄洋(以下、深川):僕はあまりSNSを見ないのですが、現場の20代のスタッフたちがビビッドに反応していて教えてくれました。プロデューサーからは当初「考察ドラマにはしたくない、人間関係やバックボーンを丁寧に描きたい」と本打ちで言われていたんです。でもいざ放送が始まると、僕たちの予想もしないところで考察が盛り上がっていて、プロデューサーの狙いを超えたところに行き始めているのが面白いです。

竹内涼真(以下、竹内):僕も世の中の反応には疎いほうなのですが、皆さんが考察してくれているのを見て「やった!」と思っています(笑)。もちろん意図的に誘うこともできますが、どう観るかは視聴者の皆さんの自由ですから。僕らは表現したいものに真っ正面から挑んで、あとは手放すだけ。ただ、現場では「ここは隠しておこう」なんて計算は一切していないんです。監督が俳優一人ひとりに話してくださる“人間の余白”をそれぞれが形にしていった結果、その厚みが考察を呼んでいる気がします。

ーーセリフではない部分の表情や動きに引き寄せられるのですが、現場でのコミュニケーションはどのように?

深川:シーンの始まりと終わりで、できるだけ飛躍し、変化したいと考えています。セリフがない瞬間こそ視線や反応が重要なので、そういうときの撮影ほど俳優さんとはよく喋りますね。

竹内:深川さんの演出は、耳を澄まして聞かないといけないんですよ。大きな声ではおっしゃらないので、みんな「えっ?」って身を乗り出して聞く。それが逆に集中力を生んでいる気がします。

深川:もう少し大きい声を出せるようにしたいです(笑)。

ーー(笑)。深川監督ならではの演出で、竹内さんが特に印象に残っていることはありますか?

竹内:台本を読んで自分の中に出来てしまった固定観念や“答え合わせ”を、現場でいい意味で壊してくれるんです。自分でイメージしたものに辿り着こうとする錯覚を壊し、それに抗うことで、予想もしなかった表現が生まれる。その期待感を常に持ちながら現場に行っていました。

深川:今の役者さんは「テレビドラマを成立させるお芝居」がすごく上手なんです。でも、そこを目指してはお客さんにとって新しい出会いにならない。だから、予想しなかった多面性や“斜め上”の方向を提案します。時には役者さんに「それはおかしいでしょ」と言われながらも、対話をしながら振れ幅を作っていく。そうすることで、キャラクターが立体的に育っていくと思うんです。竹内さんは、パンダか竹内涼真かというくらい、生き物として本当に面白い存在です。

竹内:ははは。パンダは何もしないのに、みんなあれだけ注目しますからね。俳優がみんなパンダみたいだったら、めちゃくちゃ面白い作品ができそうですね。

第8話のラストシーンに注目

ーー今「テレビドラマを成立させる」というワードが出てきましたが、本作は視覚的にもいろいろな挑戦をされていると感じます。テレビドラマはついつい「ながら見」してしまうことがあるのですが、この作品に関してはそれができないほどの映像の美しさと緊張感に惹き込まれます。

深川:そう言っていただけて嬉しいです。今はスマホが一番便利で身近な時代ですが、ドラマを作るときは「スマホと戦う」という意識を持っています。スマホを見ていた人がふと顔を上げる瞬間を作りたい。優秀な役者さんなら、呼吸一つ、言葉の“間”一つでお客さんを緊張させ、誘導することができると信じています。

竹内:本当にそうだと思います。監督ともそういう話をよくしています。

深川:そういう意味で、第6話は自分にとって非常に重要なエピソードになりました。淳一(竹内涼真)が“手を洗う”行為が1話からずっとありましたが、これは、脚本には書いていないことだったんです。撮影が始まる前に竹内くんと“共犯関係”になって生まれた演出でした。第6話の森のシーンは皆さんスマホを置いてテレビに釘付けになっていたと信じたいです。

竹内:僕からしたら、第6話は正直演じていてキツすぎて、あまり思い出したくない(笑)。それくらい大変な撮影でした(笑)。僕は第8話のラストシーンにぜひ注目してほしいです。個人的にもこのドラマの中で一番好きなシーンなので、ぜひスマホを置いて、テレビに集中してもらえるとありがたいです。

■放送情報
『再会~Silent Truth~』
テレビ朝日系にて、毎週火曜21:00~21:54放送
出演:竹内涼真、井上真央、瀬戸康史、渡辺大知、北香那、段田安則、江口のりこ
脚本:橋部敦子
原作:横関大 『再会』(講談社文庫)
監督:深川栄洋、山本大輔
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:峰島あゆみ(テレビ朝日)、中込卓也(テレビ朝日)、山田勇人(ザ・ワークス)、多湖亮太(ザ・ワークス)、大垣 一穂(ザ・ワークス)、角田正子(ザ・ワークス)
音楽:得田真裕
主題歌:優里「世界が終わりました」(BEAT SEEKER MUSIC)
制作協力:ザ・ワークス
制作著作:テレビ朝日
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