『超かぐや姫!』は小説版にも小ネタが満載 彩葉の“本心”がわかるシーンなどを考察

 さらに物語の終盤では、一度観ただけでは分からないような情報が詰め込まれている。

 月人戦を経て、かぐやが月に帰ってしまった後の彩葉は、いるはずのない彼女の姿を求めるように部屋中を歩き回る。そしてその際、キッチンの調理台にあるキャビネットを開けていくのだった。これは物語序盤、彩葉がかぐやと出会ったばかりの頃の描写が布石となっている。

 赤ん坊から同年齢くらいの少女へと急成長したかぐやとのやりとりから一夜明け、部屋から彼女の姿が消えていることに気付く彩葉。家中を探しても見つからず、すべて夢だったと結論付けたところで、キッチンのキャビネットに隠れていたかぐやが「ここだよ~」と顔を出してくる。このときはかぐやが家からいなくなることを望んでいた彩葉だったが、終盤では彼女がそばにいてくれることを願って家中を探し回る……というふうに、対照的な演出となっているのだ。

 また、彩葉が研究者となってヤチヨ/かぐやのためのボディを完成させる場面では、気になるセリフが登場。目を覚ましたかぐやを前に、彩葉は「YC型のボディより適合するね」と口にする。おそらくこの「YC型」とは、ヤチヨを模したモデルのことだと思われる。つまり最初はヤチヨ型のボディを作ったが上手く適合しなかったため、かぐや型のボディを用意したということだろう。

【Official MV】ray 超かぐや姫!Version / かぐや (cv.夏吉ゆうこ)、月見ヤチヨ (cv.早見沙織) from #超かぐや姫 !

 本編以外のところでは、公式YouTubeに投稿された「ray 超かぐや姫!Version」のMVにも重要な描写が存在する。それは山に登ったかぐやと彩葉が、山頂でタケノコ型の装置(もと光る竹)を埋めるシーンだ。

 解釈のヒントになるのは、この場面の直前で彩葉がPCに「私はかぐやを本当の意味で人間に」という文字を打ち込んでいること。すなわち彩葉はかぐやの不死性を失わせて、一度きりの人生を共に生きるために、「もと光る竹」を廃棄することに決めたのではないだろうか。なお、この展開は帝が不死の薬を山の頂上で焼かせる……という『竹取物語』のラストを踏まえているものと思われる。

 ちなみに同作は小説版も刊行されており、物語の理解をさらに深めるための手がかりを与えてくれる。とくに月からふたたび地球にやってきたかぐやが難破し、ウミウシの身体で長い歳月を生きることになったくだりでは、アニメよりも詳細な情報が明かされていて興味深い。

 たとえばアニメでは「極上のワインは、時間が経つほど深まる」という名言を残す謎の男性が一瞬だけ描写されているが、小説では彼がCIA職員で「もと光る竹」を正倉院から盗み出すことに協力してくれた人物であることが描かれていた。

 ほかにも同作にはいろいろな小ネタが詰まっているため、知れば知るほど作品理解を深めることができるはず。配信版で視聴した人も劇場まで足を運んで、何度でも彩葉たちの物語を見守ってほしい。

参照
※ https://www.cho-kaguyahime.com/news/detail.html?id=854

■公開・配信情報
『超かぐや姫!』
公開中
Netflixにて世界独占配信中
キャスト:夏吉ゆうこ(かぐや役)、永瀬アンナ(酒寄彩葉役)、早見沙織(月見ヤチヨ役)
劇中歌楽曲提供:ryo(supercell)、yuigot、Aqu3ra、HoneyWorks、40mP/kz(livetune)
監督:山下清悟
キャラクターデザイン:へちま、永江彰浩
製作:コロリド・ツインエンジンパートナーズ
アニメーション制作:スタジオコロリド、スタジオクロマト
©コロリド・ツインエンジンパートナーズ
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