“騙し合い”の果てに見えた覚悟 『DREAM STAGE』が問いかける後悔しないための生き方

 セカンドオーディションで、7人は「大人NAZE」という新たな顔を獲得する。「よく頑張ったな」とメンバー全員を労い、仲間を守ろうと奔走したアトに「君がいなきゃNAZEじゃない」と告げたジス。その言葉に嘘はなかったはず。だからこそ、水面下でキムゴンとターンの引き抜きを進めていく彼女は、どんな思いを抱えていたのだろうか。

 ジスの画策に気づいた上で吾妻が「俺はあんたを見て、本当にこの仕事が好きなんだなと思った」「自分に嘘をついてまで、無理する必要はないんじゃないか?」と問いかけるシーンが印象的だった。吾妻やアトがついた他者を思った“善意の虚偽”と、ジスの自分を正当化する“自己欺瞞”の違いを、鮮明に示していたからだ。

 吾妻がその違いを知っているのは、かつて手がけたボーイズグループ・SEVEN SEASとの過去によるものだろう。「若い才能を追い込みすぎた」と省みる吾妻。そこには、かつての自分に対する強い戒めの念もあるのだろう。パワハラ疑惑が報じられ、SEVEN SEASのもとを去ることにした吾妻。それは彼らを守るための決断だったが、もしあのとき自分に嘘をつかず、真正面から向き合っていたら……。その未消化な思いが、今もなお吾妻の心に疼いているのだ。

 しかし、その痛みを知るからこそプロデューサーとしての信念に行き着いたとも言える。アーティストを導く立場として大切なのは、組織のトップに気に入られることでも、業界で名声を得ることでもない。そんなものは手段にこそなれ、目的になってはいけない。目の前のアーティストの成長に向き合うことこそが、プライドそのものなのだと。

 対して、「私はぬるま湯でも生きていられるほど自分を信じていない。トップでないと、ナンバーワンでないと、生きている価値を感じられない」と吐露するジス。1番を目指す執着は推進力であると同時に、脆さの裏返しでもある。NAZEの優しさが強みであり弱さだったように、ジスの強さもまた弱さと表裏一体なのだ。

 第7話の騙し合いを通じて突きつけられたのは、その“嘘”が自分自身を騙していないかどうかという、信念への問い。『DREAM STAGE』が突きつける、後悔なく生きるために必要なプライド、そして自分の強み・弱みとの向き合い方は、NAZEやジスだけでなく画面の前にいる私たち自身の人生にも直結するテーマだ。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』

業界を追放された日本人プロデューサーと韓国の落ちこぼれ練習生7人が、K-POPの世界でトップを目指す熱い絆の物語。

■放送情報
金曜ドラマ『DREAM STAGE』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:中村倫也、池田エライザ、ハ・ヨンス
【NAZE】カイセイ、ユンギ、アト、ターン、ユウヤ、キムゴン、ドヒョク
【TORINNER】岩瀬洋志、HOJIN(KAJA)、志賀李玖、松瀬太虹、ISAAC(KAJA)
森香澄、村瀬紗英、キム・ジェギョン、イ・イギョン
脚本:紗嶋涼、山浦雅大
企画プロデュース:高橋正尚
プロデュース:八木亜未(大映テレビ)
演出:松木彩、吉野主(SDP)、金澤友也(テレパック)
主題歌:NAZE「BABYBOO」(NICHION)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DREAMSTAGE_tbs
公式X(旧Twitter):@DREAMSTAGE_tbs
公式Instagram:DREAMSTAGE_tbs
公式TikTok:@DREAMSTAGE_tbs
公式LINE:https://page.line.me/dreamstage_tbs

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