厳しい現実に漂う“見えない暖かさ” 『DREAM STAGE』が可視化する“優しい世界”
ユンギの父は、ユンギを大切に思うからこそ、芸能界の道を諦めさせようとしていた。「お前の代わりはいくらでもいるだろう」という言葉は、生き残りが激しい芸能界で言えば、たしかにその通り。しかし、NAZEのなかで言えば、決してそんなことはない。吾妻の家で並べた布団に、ユンギがいないだけで、すでに“揃っていない”感が漂う。
ユンギの幸せを思うからこそ、脱退という選択も尊重しようという吾妻。しかし、吾妻はユンギの父が、NAZEのライブに欠かさず足を運び、本当は誰よりも応援していたことに気づく。ユンギには安定した暮らしをしてほしい。そのためなら、嫌われても、憎まれても、正しい選択は「こっちだ」と伝え続ける。そんな相反する思いと願いによって生まれたすれ違いが歯がゆかった。
ユンギの父と社員たちの間にできた亀裂も、そうだ。会社を大きくしようと焦るあまり、社員たちを切り捨てて機械化を進める決断をした。現代の経営感覚からすれば非常に合理的な判断なのかもしれない。しかし、その機械が動かない。どうやら元社員の誰かが、腹いせにシステムをいじったようなのだ。
「もうダメだ……」。そんな絶望に包まれたときの乗り越え方を、NAZEはもう知っている。ひとりでできることには限界があるということ。仲間を信じて、頼ることで、ひとりでは見られなかった景色にたどり着けるということ。それは、ボーイズグループとしての活動に限らず、どんな仕事、どんな立場でも同じことだと気づかされる第6話だった。
誰にも頼ることなく孤軍奮闘してきた父だからこそ、ユンギの進む先の見えない道のりが心配でならなかったのだろう。少なくとも、自分が整えてきた道ならば、自らが味方になることができる。だが、ユンギは自分でNAZEや吾妻たちという仲間と巡り合うことができた。そういう意味では、もうユンギは父を超えていたのかもしれない。親としては、いつの間に人生を切り開く力を身につけたのかと、嬉しさと寂しさが入り混じる瞬間だったのではないだろうか。
『DREAM STAGE』が描いているのは、私たちがどこかで信じたいと願う「優しい世界」だ。努力がすべて報われるほど、現実は甘くない。ともすれば、誰にも頼れない時代に生きているような気持ちになるけれど、世の中には届いていないだけで本当はもっと温かなものが漂っているのかもしれない。そんな「優しい世界」の断片を、NAZEのまっすぐでピュアな瞳が可視化してくれる。
一方で、ライバル・TORINNERのプロデューサー、パク・ジス(キム・ジェギョン)にも大きな変化が。「私をこの事務所に入れてくれないか?」と突然やって来たのだ。それは、チェ代表(イ・イギョン)からの重圧に耐えかねた末の決断か、それとも新たな罠か……!? いよいよ吾妻とチェ代表の因縁についても明らかになっていきそうで、ますます目が離せない。
■放送情報
金曜ドラマ『DREAM STAGE』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:中村倫也、池田エライザ、ハ・ヨンス
【NAZE】カイセイ、ユンギ、アト、ターン、ユウヤ、キムゴン、ドヒョク
【TORINNER】岩瀬洋志、HOJIN(KAJA)、志賀李玖、松瀬太虹、ISAAC(KAJA)
森香澄、村瀬紗英、キム・ジェギョン、イ・イギョン
脚本:紗嶋涼、山浦雅大
企画プロデュース:高橋正尚
プロデュース:八木亜未(大映テレビ)
演出:松木彩、吉野主(SDP)、金澤友也(テレパック)
主題歌:NAZE「BABYBOO」(NICHION)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DREAMSTAGE_tbs
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