実写版『ブルーロック』の勝算はどこにある? サッカー経験者が注目する“配役の妙”
また、実写版『秒速5センチメートル』(2025年)やドラマ『じゃああんたが作ってみろよ』(2025年/TBS系)での好演も記憶に新しい青木柚が演じる五十嵐栗夢や、2025年は映画『6人ぼっち』で初主演を務め、多くのドラマに出演を重ねた野村康太演じる國神錬介など、11人のうちの1人に止まらない魅力を兼ね備えたキャラクターが、実写化された際にどのような輝きを見せるのか。本作、中盤に大きな見せ場のある千切豹馬を演じる高橋恭平が、彼の心身の変化をどのように表現するのかも楽しみなポイントだ。
そして、個人的に注目しているのが、変幻自在のドリブラー・蜂楽廻を演じる櫻井海音。中学までは東京ヴェルディのジュニアユースに所属していたという技術は、本作でも遺憾無く発揮されるはずだ。特に彼が演じる蜂楽は、卓越したドリブルスキルと自由奔放なプレースタイルが特徴的なキャラクター。現実でも再現するのが難しいプレーも多いが、櫻井ならばリアルでも実現してくれるのではないだろうか。
そして、忘れてはならないのが、本作のなかでも異彩を放つ存在感で場を掌握する絵心を演じる窪田正孝。原作から抜け出してきたかのようなキャラクタービジュアルが公開された際は、多くのファンから納得の声が上がった。2025年に公開された映画『悪い夏』や『宝島』でも見せたように、不意に見え隠れする狂気や瞬発的な凄みを感じさせる窪田の芝居が、絵心に憑依して観られると思うとワクワクが止まらない。
全体的にスポーツ経験を有するキャストも多く、キャスティングの際の指針になっていたことは想像に難くない。実際、主演を務める高橋は忙しないスケジュールを縫って、約1年半にもわたる本格的なトレーニングを行ったという。漲るような熱さが溢れる原作の魅力を最大限に引き出すためには、一人ひとりの尋常ではない熱量が必要不可欠だ。
ただ一方で、サッカー経験者と未経験者の技術の差は、リアルな場において表れてしまうことは否めない。特に「チームZ」の11人は、ともに試合に臨む場面も多いので、身体のしなやかさやボールを扱うスキルなど、それぞれの技量は自然と浮き彫りになってしまう。ボールタッチやトラップの細やかな動きを、どれだけリアルに近づけることができるのかは気になるところだ。さらに、現実のサッカーは基本的に全体の動きが止まる場面が少なく、攻撃と守備がシームレスに切り替わるなど、ピッチのさまざまな場所でリアルタイムに駆け引きが行われる。そのため、キャスト陣の芝居や試合中の演出だけでなく、テンポのいいカット割りや試合の流れをスムーズに見せる編集も重要なポイントになるだろう。
そして、超人的な身体能力をもつキャラクターと、リアルな身体動作をどれだけ映像として融合できるのか。何よりも内から湧き出るようなエゴイストの熱量と、闘志を燃やしてバチバチにぶつかり合う異様な雰囲気を演出できるのかが、実写化成功のカギを握ることになるはずだ。
本作が公開される2026年は、4年に1度のワールドカップイヤーでもある。原作ファンだけでなく、世間の間で高まったサッカー熱とサポーターの興味・関心が、そのまま『ブルーロック』へと注ぎ込まれる未来も十分にありうるだろう。これからのプロモーションや残りの人気キャラクターのキャスティングも含めて、引き続き本作には注目していきたい。
■公開情報
『ブルーロック』
8月7日(金)全国ロードショー
出演:高橋文哉、櫻井海音、高橋恭平、野村康太、青木柚、西垣匠、橘優輝、石川雷蔵、岩永丞威、浅野竣哉、櫻井佑樹、倉悠貴、窪田正孝
原作:金城宗幸・ノ村優介『ブルーロック』(講談社『週刊少年マガジン』連載)
監督:瀧悠輔
脚本:鎌田哲生
制作:CREDEUS
製作:CK WORKS
配給:東宝
©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS
公式サイト:BLUELOCK-MOVIE.JP
公式X(旧Twitter):BLUELOCK_MOVIE
公式Instagram:bluelock_movie
公式TikTok:bluelock_movie