吉沢亮の“横顔ワンカット”が意味するものは? 『ばけばけ』制作陣が明かす“予告”秘話

 錦織は帝大を卒業しておらず、英語教師の資格も持っていない。このエピソードもおおむね史実に沿っており、「一般的に西田千太郎はハーンを助けた聖人君子で人格者だと伝わっていますが、彼が残した日記を読むと、『もっとこうだったはずだ』という鬱屈した思いが滲み出している文章が所々にあったりします。いわゆるみんなが見ている表じゃない面を、この錦織というキャラクターで描きたいと最初から話していました」と振り返る。

「表立って言葉にはしていないけれど、ずっとヘブン(トミー・バストウ)と錦織の間ではそういう芝居がされていたと思うんです。『日本滞在記』が完成した時の錦織の表情や、ヘブンとの目配せ。本当は何者かになりたかったけれどなれなかった彼が、ヘブンが来たことで一介の教師ではなく、リテラリーアシスタントになっていく。“成し遂げる人”を助ける自分になる、自分自身も何かを残していく……吉沢さんはそういった思いをずっと表現してくれていたし、第18週ではより強く表れていたと思います」

 少しずつ距離を縮めてきたヘブンと錦織。そしてこの第18週で、2人は確かな信頼関係へとたどり着いた。

「『日本滞在記』を書き終わった後、次のテーマを何にするかというところで、錦織はヘブンのために事細かに動いている。2人でひとつのことを成し遂げた。じゃあ次は、という場面で、自分自身の力でさらに一歩を踏み出したいという思いの強さが出ていて、すごくよかったと思いますね」

 なお、第4週で錦織が既婚者であることが判明したが、その後、妻に関する情報は一切描かれていない。この作劇について橋爪は「錦織のキャラクターにとって重要なのは、家族ではなく彼自身が何を成し遂げるかということ。錦織とヘブンの純粋な男同士の友情を描くことで、彼の本質を表現していくことに集中しようという話をして作っています」と意図を明かし、「第19週は本当に吉沢さんの凄さが見られるので、期待してもらえたら」と呼びかけた。

 謎多き“錦織友一”の内面に迫る第19週。吉沢の演技力が存分に味わえる一週間となりそうだ。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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